「時を経るごとに評価が高くなっている」肉弾(1968) Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
時を経るごとに評価が高くなっている
戦後23年目、岡本喜八が脚本監督をつとめたガチガチの反戦映画。
昭和40〜50年代、テレビも映画も本当に反戦ものが多かったのが記憶にある。家族や友人、大切な人を失う設定が必ずセットされていた。
公開当時においては、本作はまさに ″one of them″ だった。
そういう意味では、むしろ、令和のいまに見ることでノイズなしの感覚が得られるかもしれない。
本作は、
戦中戦後の平均寿命の比較からはじまり、
(ナレーションは仲代達矢!)
衝撃?のラストシーンに至るまで、徹頭徹尾、シニカルな視線で当時の日本を斬って斬って斬りまくっている。
古本屋の夫婦、女郎屋の女学生、幼い兄弟、看護婦たちなど個性豊かで現実離れした登場人物群が、
まるで『オズの魔法使い』のような夢と現実のハザマにある夢幻の世界観を醸し出している。
主人公の寺田農が乗り組む特攻兵器は、デフォルメされている前提で見ても、胸が切なくなる。
人の命が、恐ろしいほど軽い。
ヒロイン役の大谷直子は、NHK朝ドラ『信子とおばあちゃん』でブレークする1年前に、本作で体当たりの演技を見せている。可憐だ。
全体を通して、モノクロで製作した効果もキチンとでており、後になればなるほど、評価を高める一作だと思う。
『約束のネバーランド』にも共感コメントありがとうございます😊
若い頃の吉永小百合さん、いいと思います。芦田愛菜さんもいいですね。でも、ストーリーも、と思いますが、あまりわからないので。吉永小百合さん、若い頃の作品が良いです。最近のあまり観ていませんが、変な設定ばかりで。
本作たまたまwowowで断片的に観、全編2回観ました。他レビュアーさんの強い推しもありしっかり観ました。途中主演の寺田農さんが亡くなられました。ガリガリの身体、といえば、『野火』や『ほかけ』に出て来る兵士ガリガリな人ばかりでした。蝋人形みたいになって亡くなって、というところ、戦慄しました。