劇場公開日 1989年6月17日

「226事件は描くのが難しい」226 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5226事件は描くのが難しい

2025年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

近代日本の最大のクーデター事件。226事件を反乱首謀者達の目線で描く物語。

226事件を描いた映画はあまり多くありませんね。高倉健と吉永小百合が共演した「動乱」がありますが、あれは恋愛ドラマでしたし・・・
昭和恐慌で疲弊する日本。有効な対処を見いだせないだけでなく、腐敗する政治家と財閥。
「動乱」もそうでしたが、226事件をしっかりと描くと、どうしてもクーデター側に共感する描き方になるのが難しいところですね。

この映画は、ドキュメンタリータッチ。
クーデター直前から、事実を冷静に積み上げていく手法。要所で感情描写もありますが、動機を正当化しない範囲に抑えている印象。
好みが分かれるところだとは思いますが、個人的には比較的好みの描き方かもしれません。

下士官の幼稚さや暴力性。陸軍の派閥争い、犠牲者たちの悲嘆、そして激怒した昭和天皇・・・。そんな描写をしっかりと映し、クーデターの無謀さも描写して欲しいとも思いました。

私的評価は3.5にしました。

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よし