楢山節考のレビュー・感想・評価
全28件中、21~28件目を表示
世界が認めた長野の姥捨山伝説の映画化
長野県の姥捨山伝説の原作小説を基に今村昌平監督が標高1000Mの廃村で三年の歳月をかけて撮影した大作で、1982年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した作品である。舞台の農村では厳しい自然環境と食糧事情を背景に、村の掟による極度の人口統制がとられていて、老人は70歳になるとお山に捨てられ、次男以下の男子には婚姻はおろか性交すらも許されていない。人々は信仰と慣習と掟の中にだけ生き、ひたすら食べ、ひたすら交じり合う。そして時に食糧盗難の制裁の下に、或る家族の根絶やしの為に、村民の男衆皆で生き埋め殺人までもする。しかしそんな中でも、村民達は明るくどこか滑稽で、それを見つめる監督の眼差しは温かい。この作品は人間讃歌であり、生命讃歌である。思えば極端化されてはいるが、明治維新前の日本中の農村は多かれ少なかれ、この村のような環境下にあったのだろう。いわば日本の農村の典型で、我々のルーツである。現代の我々日本人の飽食と繁栄と自由の謳歌とはまるで異なる。しかし男女の愛情と親子の心情は今も昔も少しも変わらない。俳優陣の名演もあって、人類の普遍性の描写に極めて成功している。日本の長野県の伝説を映画化した作品を、外国人が理解し評価した点からも、それは伺えるのである。やはり傑作だと思った。
不安な現実感
山間部の暮らしが上手く描かれている!!
山間部の暮らしが上手く描写されており、映画そのものに民俗学的な価値があると思います。山中でセックスするシーンは、傍で蛇も絡み合い何か気持ち良さそうですが、お母さんを捨てに行く時が刻々と迫る、という意味でセックスシーンが度々入るさまは緊張感を与えます。「命の循環」の描写は、2019年の「ミッドサマー」より、こちらが断然上だと思います。お母さんを背負ったまま山に入っていくシーンは、台詞も殆どなく静かで有無を言わせず心に残ります。タイトルだけご存知の方も、終盤のシーンを観るために是非ご覧になって頂きたい映画です。
ありえないしきたり
圧倒的な生
昔の日本の文化が垣間見れる。
昔は村単位で法があり、それは掟(オキテ)といった
知り合いがショックをうけた作品だと聞いたので
全28件中、21~28件目を表示