「夏の日のリノベーション」夏の庭 The Friends uzさんの映画レビュー(感想・評価)
夏の日のリノベーション
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正直、最初は乗り切れなかった。
軽いイジメのような山下への絡みや、人の死への態度が小6とはいえ受け付けない。(特に河辺)
それが洗濯や草取りを文句も言わず手伝うあたりから、印象が変わる。
庭からはじまり家までまるごと綺麗にしていく様子は、大規模な秘密基地づくりのよう。
当初の目的はどこへやら、友人のようになっていく3人と喜八にこちらも笑顔に。
男子ふたりどころか女子まで追い返すのは、照れやカッコつけか、単純に男同士の楽しみだからか。
喜八の戦争体験は明確な転換点となっており、台詞のみなのも雰囲気の繋ぎとして適切。
弥生さんの発見と後藤先生との関係はご都合主義だが、まぁアリ。
戦争からの生還や血縁の流れなどで、生と死というテーマが再浮上してくる。
喜八の死は予想通りだが、スーツで出掛けた姿には髭もあったので、あのカットは解釈が分かれそう。
必死に呼びかける3人の姿と、弥生さんの「お帰りなさいまし」には涙腺が緩んだ。
3人はまだ死というものを理解したとは言い難いが、そもそも自分だって目を逸らしながら生きている。
彼らにとって確実に、向き合うキッカケにはなったろう。
最後に木山だけ別方向に帰ったのは何を示すのか。
コスモスの庭も明らかに広くなってたし、あのカットの時点で既に家の老朽化が進んでいた。
色々な捉え方が出来そうなラストだ。
ただ、病院でのホラー演出だけは余計だったなぁ。
名前しか知らなかった三國連太郎の、歩き方などの“老い”の芝居がとてもよかった。
合ってるとは思えなかったが、エンディングがZARDだったのは何処となく感慨深い。
まだ飲み込めてはいないが、何かが胸に残っている。
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