どんぐりッ子

劇場公開日:

解説

天真欄漫なお手伝いと両親よりも彼女になつく子供との暖い交流を描く由起しげ子原作「女中ッ子」の再映画化。脚本は「大空のサムライ」の須崎勝弥、監督は「エデンの海(1976)」の西河克己、撮影も同作の萩原憲治がそれぞれ担当。

1976年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1976年7月31日

ストーリー

加治木家に妙な娘がやって来た。山形弁まる出しで、どんぐりのように愛らしく健康で、名前を織本はつと言った。近頃では珍しい押しかけお手伝いさんである。加治木家は典型的な中流家庭で、子供は三人。小学6年の雪夫、小学3年の勝美、そして小学1年の妹・あきらである。三人の中で勝美は、暴れん坊でひがみっぽく、家中の鼻つまみだった。かつて、あきらが生まれた時、母・梅子の愛情を奪われるのを恐れて、あきらを2階から突き落としたことがあった。その時、腕に大きな傷を負ったために、あきらは自閉症になってしまった。はつはやさしい娘だった。勝美が犬の嫌いな梅子に内緒で子犬のチビを飼っているのを黙っててやったり、毎朝のオネショの始末、学校での喧嘩……と、働きもののはつは、家中のことを梅子よりも知るようになった。梅子が捜しているオーバーも、勝美がチビのふとんにして汚してしまったので、はつは自分のたんすの奥に隠してやった。やがて、チビの存在が梅子に知れてしまった。捨てると言いはる梅子に、自分の食事を半分にしてもいいからと、はつは食い下がった。また、盆踊りののど自慢で、はつが得意の歌で一等をとり、勝美のほしがっていた自転車をせしめたり、学校の父兄にも出席したり、今では、はつはすっかり勝美の母親代りになっていた。そして腕の傷が原因で自閉症になっているあきらに、はつは自分の生傷を見せてやった。その傷もさることながら、はつの出ベソを見たあきらは笑い転げるのだった。はつが初めて山形へ里帰りした日、いつもは大人しいチビが梅子のぞうりを食いちぎったために、梅子はためらいもなくチビを捨ててしまった。勝美が家出をしたのは翌朝だった。勝美は山形行きの汽車に乗り、はつに会いに行ったのだ。はつの連絡で山形まで迎えに来た父母を見て、勝美にもやっと自分に対する両親の愛情を意識することができた。はつが山形から戻ると、どこからともなくチビも帰って来た。やせたチビを見て梅子も涙ぐんだ。加治木家ではやっと明るさを取り戻した。そんな時、梅子がはつのたんすの中から自分のオーバーを発見し、はつを怒った。はつは折角、勝美が明るくなったのだから真実を話すことはない、と思い、言い訳をせず、黙って加治木家から去るのだった。

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