「恥ずかしながら洞口依子をずっと「ほらぐちよりこ」と読んでいた」ドレミファ娘の血は騒ぐ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
恥ずかしながら洞口依子をずっと「ほらぐちよりこ」と読んでいた
恥ずかしさとはなんぞや?んどと、心理学の教授でさえ悩んでいたけど、裸だとかセックスだとか、それだけをテーマにしてみると、結局のところ快楽が上回ってしまうので命題は解決しないのだろう。むしろ、この作品を今の黒沢清監督に観てもらうことが恥ずかしさのレベル10に到達するんじゃないかと想像してしまう。
もとは日活ロマンポルノのために作ったシロモノだったのに、芸術作品に昇華しようとして、結局中途半端になってしまった印象が残る。それでも見事な脱ぎっぷりの洞口依子の魅力は見事に引き出している。
ホラーに傾倒してからの黒沢作品はあまり好きじゃないけど、かつて講演会を聴いてからは彼の映画に対する純粋な情熱に感動さえしてしまった。それはジェームズ・コバーンについての内容が多かったこともあって、俳優さえよければ素晴らしい作品が作れるはずなのだと彼の全作品をチェックしたくなったほどだった。
そんな監督の初期作品。学生の自主制作映画の延長線上のような仕上がりではあるけど、随所に偉大な映画作家の可能性が隠されているような気もした。ただ、音楽こそが感動を与える唯一のものだと主張しておきながら、音楽はダサい。
最初に見たのは20年ほど前。洞口依子ファンだったため。
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