「歴史的名作であり歴史的偉業なのだと思います。」東京物語 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
歴史的名作であり歴史的偉業なのだと思います。
これまでちゃんと見たことがなかったのですが、初めて通しで鑑賞。
どうしても、世界的名作という評価と、どこかで読んだり聞いたりした著名人の推しコメントがこびりついているので、何らかのバイアスゼロというわけにはいきません。
今見て面白いか?
と問われたら正直、うーむ、と唸るしかありません。
でも凄さは十分に伝わってきます。
この映画で描かれているテーマはすべて、今作られているたくさんの映画たちも、色々と設定や形を変えて懸命に描こうとしている普遍的なものです。
太平洋戦争で日本が降伏したのが1945年8月。
この映画が作られたのが1953年。
戦後復興と生きることに必死になっている時代にですよ、日常生活の中にふと訪れる虚無感とか焦燥感とかを、実に鋭く切り取って、映像に落としているのです。
登場人物の中で一番成熟した大人のように感じる紀子ですら(というより紀子だからかもしれません)、日常が日常として何事もなく過ぎていくことに、時として耐え切れずに泣いてしまうわけです。
『私、歳を取らないことに決めたのです』なんてセリフから窺える〝無理してる感〟が終盤になって明らかになってくる展開はサスペンスと言っても過言ではないほどです。
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りあのさんのコメント
2021年9月30日
コメントありがとうございます。
尾道の映画館ってスクリーンが1つだけのミニシアターなんですよ。
床の傾斜も有るのか無いのかわからない位で、スクリーンは上を向いての観賞だから少し疲れます。
ぜひ一度、疲れる事を覚悟でお越しください。