「長編につき前日は十分な睡眠を❗」東京裁判 oliveさんの映画レビュー(感想・評価)
長編につき前日は十分な睡眠を❗
あれだけ膨大な量の貴重な映像が残っていたことに驚いたとともに映画として多くの人が見られるようにしてくださった小林監督に感謝と敬意を表します。玉音放送の内容を全文聞いたのは初めてだったので感慨深かった。
戦勝国が一方的に裁いた不公平な裁判だったのかと思っていたが、アメリカ人弁護士が本当に誠心誠意日本人被告を弁護してくれていたと知り頭が下がる思いでした。「ここにいる日本人が有罪なら日本に原爆を落とした者、それを命令した者の名前を私は知っている」などとアメリカ人が簡単に言えることではないだろう。
裁判にかけられたA級戦犯全員死刑(絞首刑)ではなく終身刑や禁固○年等、死刑以外の被告もかなりいたのは意外に感じた。現地で捕まり帰国もできずそれこそいい加減な裁判で死刑にされたり、現地民になぶり殺されたりした"上からの命令に従っただけ"の多くのB級C級戦犯の方々のことを考えると随分甘い判決に感じてしまった。東京裁判に出席できただけでも恵まれているのでは?命令だけして自分は一切手を汚さず多額の給料をもらい食事に困ることもなかっただろうA級戦犯でも死刑を免れた人が多くいるのならB、C級戦犯で死刑って惨いし何が基準なのか分からない。やはり上級国民はいつも安全で下級国民は"お国の為に"などと言われて当たり前のように命を捨てさせられる、、選挙で戦争大好きなおかしな政治屋を選ばないよう国民一人一人が注意しないといつかまた同じ道を辿ることになるのではと危惧する。かの大戦も国民は誰も戦争が始まるなんて思ってなかった、現在は戦前の頃とよく似ている、と瀬戸内寂聴さんが書いた記事を読んだことがあります。
今日はたまたま終戦記念日だったためか映画の後、本作のパンフレットに寄稿もされている毎日新聞の記者の方のトークショーがあり、この映画がより興味深いものとなった。
映画館ほぼ満席でした。ミニシアターだけでなくTOHOシネマズのような大手でも上映すべきではないでしょうか。
最後に余談ですが、隣席の高齢者は途中寝てたし、ごそごそ落ち着きなく、終始あくびしっぱなしで周囲に強烈な口臭撒き散らし続けてました。知識・教養の乏しい方や日頃から背中や足腰が痛い方は無理に映画館で見る必要は無いと思う。