「無駄な大作感、集大成!(←褒めてますw)」天と地と しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
無駄な大作感、集大成!(←褒めてますw)
角川映画15周年記念作品第1弾。
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作は未読です。
私は角川映画が大好きです。特に初期の大作路線を好んで観ます。膨大な製作費でもって日本映画の常識を凌駕する超大作をつくり、比類無きスケール感を醸し出している作品群は今観ても色褪せぬ迫力があるように思います。
本物の潜水艦を撮影に使用したり、戦車をつくってみたり、別にそんなことしなくても作品としての齟齬はないだろうに、話題づくりも含めて行われたこれらを、私は"無駄な大作感"と勝手に呼んで敬愛させていただいています。
これだけお金を掛けて、強いこだわりをこめてつくられているにも関わらず、興行収入がトントンになることも多く、そんな点も私の心を掴んで離さないのです(笑)。
それはさておき、角川映画のアニバーサリー作品として製作された本作。海音寺潮五郎の同名原作を角川春樹監督が製作費50億円、合戦シーンはカナダで大規模なロケを敢行してつくり上げた戦国スペクタクル大作。―なんですが…有名な残念映画でもあるのが私にとって堪らない萌ポイントなのです(笑)。
人物描写が薄過ぎるために、ドラマ部分が非常に退屈なものとなり、意味不明なシーンも多くて、全く印象に残りませんでした。川中島の戦いのシーンは上記の壮大なロケ撮影と大量のエキストラの動員によって、CGでは決して出せない本物感でもって迫って来る迫力があって、手に汗握りましたが…
総合して、角川映画初期の大作路線を見事に継承しているなと思いました。膨大な製作費でこのような凡作をつくってしまうところも、必要だったのかどうか定かで無い海外ロケを行ったりした"無駄な大作感"も角川映画らしいし、まさにそれらの集大成。はっきり言って面白くないけれど嫌いにはなれない。―私にとって、そんな不思議な魅力を持った作品でした。