「曽根中生監督の映画愛が感じられる、にっかつ映画の佳作」天使のはらわた 赤い教室 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
曽根中生監督の映画愛が感じられる、にっかつ映画の佳作
曽根中生監督の映画愛が感じられた。
確かな演出技巧を持って、ポルノ産業に対する皮肉と情愛を絡ませながら描いている点が、とても面白く興味深かった。そこには、性描写を粘り強く表現しなくてはならない使命感と、劇映画にまとめる作劇の努力の葛藤がある。ひとりの女性を探し求める男の哀切なる心情を執拗に描いたストーリー。現在のロマンポルノの中に、古風なメロドラマを試す映画狂の特質を発見する驚きがあった。この脚本と演出に、主演水原ゆう紀の好演。観て良かったにっかつ映画になる。
1980年 2月19日 ギンレイホール
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