劇場公開日 1938年9月29日

「山田五十鈴🔔 3本の映画」鶴八鶴次郎(1938) talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5山田五十鈴🔔 3本の映画

2022年8月8日
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鑑賞方法:映画館

萌える

1)「鶴八鶴次郎」は池袋の新・文芸坐「山田五十鈴特集」で見た(山田五十鈴が亡くなった2012年か?)。その頃は小唄を習っていて師匠も勿論この映画を知っていた。小唄には何でもネタにする逞しさがあって「鶴八鶴次郎」という小唄もある。映画では新内の三味線は鶴八(山田五十鈴)で語りは鶴次郎(長谷川一夫)。二人とも芸に関しては譲ることを知らないプロの塊。鶴八のおっかさんが二人の師匠だったが年も近く若い二人、なかなか難しい。

小林信彦が書いていた。山田五十鈴は、映画、舞台、テレビの三つで最高峰を制覇した唯一の女優だと。舞台の「たぬき」もテレビの仕置き人も見損なってしまったのがつくづく悔やまれる。共通しているのが三味線。子どもの頃から仕込まれ精進し続けなければできない。若いときのおきゃんな可愛らしさ、大人になってからの色気や苦労、説得力ある演技力と美しさに恵まれた大好きな女優さん。

2)「国士無双」(1932)監督:伊丹万作
サイレント映画、片岡千恵蔵と山田五十鈴。コメディ、沢山笑えた。タランティーノみたいに章立て構成でそのタイトルがいちいち面白い。「メンタルテスト」とか。千恵蔵のセリフ「それには及ばぬ」がどんな問いかけに対しても延々と繰り返されるのがシュールで可笑しくてお腹痛くなった。千恵蔵、顔が大きくいい男!

3)「折鶴お千」(1935)監督:溝口健二 原作:泉鏡花。サイレントだがサウンド付き映画。クラシック音楽が面白く使われていて新鮮!枠構造の映画で枠の箇所はムソグルスキー「はげ山の一夜」、最後の悲しい箇所はチャイコフスキーの色んないい曲を使ったバレエ音楽「オネーギン」!可愛らしく美しく優しく壮絶な山田五十鈴17歳!宗ちゃんが自殺しそうになるところをお千が助ける場面なかった(もしかして寝てたか?)ので彼女が彼の学費稼いで助ける動機がよくわからなかった。お話としては「瀧の白糸」(舞台で一度見た)の方が華やかな場面もあり女が男の学費を工面する説得力がある。この映画はサイレントで溝口健二監督のがあるのかー!見たい。

2)と3)は、京都文化博物館(のある三条通りは、和洋の建物やお店があって素敵でこじんまりした風情ある路地)のフィルムシアターで鑑賞(2022.8.9.)

talisman
あき240さんのコメント
2023年2月16日

コメントありがとうございました
ホント名作ですよね!
4K リマスター化されて欲しいものです

あき240