月姫系図

劇場公開日:

解説

角田喜久雄の小説を原作に「冥土の顔役」の高岩肇が脚本を書き「清水港喧嘩旅」の渡辺実が監督した、武田勝頼の遺宝をめぐっての伝奇娯楽篇。撮影は「冥土の顔役」の宮川一夫。主演は「桃太郎侍(1957)」の市川雷蔵、「不知火頭巾」の阿井美千子、浦路洋子、「鬼火駕篭」の林成年、「ただいま零匹」の田代百合子。ほかに中村鴈治郎、小沢栄太郎、小町瑠美子など。色彩は大映カラー。

1958年製作/74分/日本
原題または英題:Treasure Huntress
劇場公開日:1958年1月9日

ストーリー

武田勝頼の遺宝の秘密がその旗印「風林火山」をかたどる四枚の枝折に託されている。旗本水町三郎太の娘として育った雪絵は、その一枚を持ち、年に一度三日月堂で月姫という能面をつけた女性に会う。その帰り、忍者いの字に襲われ、「風」の枝折を奪われかけたが、進太郎という浪人者に救われた。彼は「山」の枝折を示し、これの謎は月姫のみが知ると言った。「林」の枝折は金山奉行大久保石見守が持っていた。彼は財宝を手に入れようと、いの字に他の枝折を集めさせていたのだ。月姫の部下、彦七、お梶の兄弟は友人兵馬を雪絵の守護役を兼ねて婿に推したが、月姫は許さなかった。お梶は石見守の側女になり、その動静を探った。彼女は進太郎と昔馴染だという。彼はいの字を捕えかけたが、逃げられた。しかし、その腕に小柄で傷をつけたはずだ。石見守は雪絵の父三郎太を山目付にし、甲州へ旅立たせた。雪絵も月姫の命で石見守に従って甲州へ出発した。進太郎も、彦七も、兵馬も……。三郎太は、甲州で鳥の目源三という囚人に引き合わされた。彼は武田の残党の源三を逃してやり、自分は捕った。枝折と引きかえに、三郎太の助命を願った雪絵は、石見守に眠り薬を飲まされ危かった。お梶の抵抗も無力だった。しかし、いの字が彼女を盗みだしたのを、進太郎が待ち受け、雪絵を救ったが、「山」の枝折を盗み去られた。残る一つ「火」の枝折を、源三は火中へ投じた。石見の部下に襲われ、彼は「風林火山」と言い遺して死んだ。進太郎はこの言葉の謎を解いた。--要害山の信玄の墓所の洞窟。火薬と共に埋めてあろう。彼らがその洞窟についた時、すでに兵馬がいた。腕に小柄傷があった。いの字は彼だったのだ。石見守一味も駈けつけた。進太郎は将軍家直々の命で石見守を逮捕すると告げた。乱闘。と、大音響が起り、岩と兵馬を吹き飛した。あとに、武田家の財宝が現れた。--石見守は遠島の刑に処せられた。月姫は勝頼公の息女で、雪絵の姉だった。進太郎は月姫を説き徳川への復讐をあきらめさせ、彼らを八ケ岳へ帰らせた。財宝は万民のために使うと約束した。雪絵だけが、下界に残ることになった--進太郎の花嫁として。

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