劇場公開日 1992年12月19日

「ばんざーい!ばんざーい!」ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ばんざーい!ばんざーい!

2023年4月3日
iPhoneアプリから投稿

さくらももこ脚本の本作
どうしても「このお姉さん実在するのでは?」
と思わずにはいられない。

お姉さんは絵で結果を残せず、
彼と結婚し、北海道へ行く。
実際、この時代には
こんな事が沢山あったのだろうと思わせる。
お姉さんは葛藤ののち、まる子に背中を押され
彼との結婚を決める。
これが、仕方なく結婚を選んだ女性が
漫画家を目指す少女まる子にバトンを渡したんだと思った。

しかし、この映画は最後にちゃんと
お姉さんはコンクールで入選するという
ハッピーエンドのおまけ付きである。
(まる子にとってはギャグ的なバッドエンドだが)

もしかしたら、お姉さんは、
結婚において、自分の才能の負けを感じていたかもしれない。
それでも結婚式でのまる子の無垢な
「バンザーイ!バンザーイ!」は
お姉さんの存在の、人生の、大肯定であった。

そしてまる子も、お姉さんも
互いを絶対にずっとずっと忘れないと告げる。
美しい話だった。

『買い物ブギ』やたまの『星を食べる』など
絶妙なセンスの楽曲たち。
こりゃ、カルト的なアニメ映画になるはずよ。

JYARI