劇場公開日 1954年11月23日

「溝口健二の代表作の一つで心中物の代表作」近松物語 Kenkuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 溝口健二の代表作の一つで心中物の代表作

2025年8月23日
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鑑賞方法:その他、映画館、TV地上波

悲しい

知的

ドキドキ

溝口健二監督の作風はかなり特殊で長回しを多様します。
物語のテンポはかなりゆったりしてします。
説明的なものがなく、鑑賞者は映像から登場人物や時代背景や舞台というかどんな場所での話しか自分で解釈する必要があります。現代日本の若い人は説明的な映画に慣れてるし、描いている時代が江戸時代の京都の商家の話しです。
話の展開に置いてきぼりされてしまうかもしれません。
慣れれば溝口の描く世界を堪能できます。
溝口の作品や作風は海外の監督に影響を与えました。
今でも影響を与えていると思います。
人物造形や関係の変化の描き方、ちょっとした選択で人の人生が変わるという事が溝口の作品に多いのはやはり昭和の前半は生きにくい時代だったからだと思う。
美しさや誇りを描き、人の卑しさや醜さを描ききるのが溝口の世界で、この映画はマイルドなほう。
出演者は脇役まで豪華です。長谷川一夫、香川京子
南田洋子、進藤英太郎、小沢栄太郎、浪花千栄子、十朱久雄
映像が美しく、撮影は宮川一夫さんです。
感情の昂ぶりの表現力を感じます。戦前の作品は淡々としてえぐかった。分かりやすくしたのだと思う。

Kenku