劇場公開日 1954年11月23日

「一周回って現代的な話」近松物語 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一周回って現代的な話

2021年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、

これからは「星のナターシャnova」

以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
==============

午前10時の映画祭の作品は
都合が合う限り無条件で観てますが
この作品も「観て良かった!」思う一作。

なんと言ってもモノクロ画面の美しさが秀逸!

YouTubeに午前10時の映画祭を応援する
「事務局オフタイム」と言うコンテンツがあるのですが
その中で解説されている通り
モノクロなのに、大豪商の奥様であるおさんの着物の豪華さ!
金糸銀糸が惜しみなく使われているであろう
大奥上臈並みの豪華な着物の質感まで伝わってきます。

そして物語全般としては、
原作は、言わずもがなの近松門左衛門の戯曲ですが
女性の立場の弱さ、男性社会、社会弱者への理不尽さは、
今も昔も変わらないことを現代人に突きつけてきます。

その中でも力強く生きて行く一般庶民も印象的で
見応えがあります。

で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては

長谷川一夫は当時は随一の色男。
若くて全盛期だった様ですが
私は今作の長谷川一夫よりは、
昨年観た「雪之丞変化」のちょいワルな
長谷川一夫の方が正直好きです。

だから私的には長谷川一夫よりも
相手のおさんを演じた若きの日の香川京子さんが素敵!
この夏の話題のドラマ「この世界の片隅に」で
現代編の鈴さんの娘を演じていた素敵なおばあ様です。

おさんは最初、
実家の都合で自分の父親ほどの相手の後妻に行かされ
その後も婚家と実家の板挟みでなかなか苦しい立場。
それでも、奉公人に気を配り後妻と侮られない様に
頑張って大豪商の奥様を勤めているのですが
それにもかかわらず、
自分を踏みつけにする狡い旦那に腹を立てて
人生に絶望してしまう。

まさにその時!!
生まれて初めて自分自身を純粋に見てくれる人に出会って
劇的に変わって行く。

ああ、女の強さ!発動!!

悲しいけど、そこが良い〜!

そしてラストシーンは〜〜
本当に象徴的ですね〜〜

それと、劇中、小川を渡るところで
着物の奥様をヒョイと抱え上げるシーンがある。
その抱え方が今まで見たことがない!
あれが出来ると、結構モテるかも!
そこだけでもぜひ観てみてください。

@もう一度観るなら?
「数年後にまた企画上映で観たいですね。」

星のナターシャnova
talismanさんのコメント
2022年5月14日

私もkossyさんと同意見です!

talisman
kossyさんのコメント
2021年8月28日

大好きな作品の一つ
溝口健二としては『雨月物語』よりもいい!

kossy