劇場公開日 1981年12月19日

「岡本喜八監督作品が好きだ、全部観てみたいという人なら楽しめると思います で、なければ意味不明になりかねません」近頃なぜかチャールストン あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0岡本喜八監督作品が好きだ、全部観てみたいという人なら楽しめると思います で、なければ意味不明になりかねません

2020年10月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

チャールストンは、1920年代のアメリカで一世を風靡したダンスで、そのピアノとフィドルで主に演奏される音楽にも独特の特徴があります
まあ、御陽気で御気楽な調子の喜劇に相応しい音楽です
劇中、「私達チャールストンの世代は」と総理がいいます
岡本喜八監督は1924年生まれですから、本作の閣僚達が監督の父親に当たる世代です

つまり戦後36年、1981年とは、その世代の人々がいよいよ去っていく、そういう時代に入ったということです

近頃なぜか、岡本喜八監督がその世代の人々のことや、今の世代のことなど、色々考えることを、父親世代のチャールストンの音楽にのせて喜劇でまとめてみました
それが本作と言うわけです

特段のメッセージとかテーマとかそんなものはないです
ただ、取り留めも無く浮かんでくる様々な思いを楽しくご覧下さいといった内容です

岡本喜八監督のご自宅がロケセット代わりに使用されています

終盤のバスの座席にもたれて「眠る」陸軍大臣の姿
石井隆監督のGONINで似たシーンがラストにあります
本作のオマージュだったのかも知れません

ラストシーンは高速道路が山から平野に向かって延々と伸びていく光景です
沢山の車が次々に過ぎ去って行きます

まだまだまだこの先の道は長いなあ
そんな声が聞こえるようです

岡本喜八監督作品が好きだ、全部観てみたいという人なら楽しめると思います
で、なければ意味不明になってしまうかもしれません

あき240