「あの頃」探偵物語(1983) U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
あの頃
目に留まりNetflixで鑑賞。
薬師丸さんが初々しい。
赤川次郎原作をちゃんと観たのは初めてかもしれない。思春期はどこもかしこも赤川次郎だったような気がする。角川映画全盛期の頃が懐かしい。
改めて観ると結構なファンタジー要素がてんこ盛りだったんだなあと。当時は物語を追うよりも薬師丸さんを追ってたようにも思う。
結構痛快な話ではあるが…女子大生が広域暴力団の事務所に単身乗り込んだりと、破天荒なエピソードも多い。時代なんだなぁと感慨深い。
とにもかくにも薬師丸さんだ。
いじらしい…胸がキュンキュンする。
もう頭の先から爪先まで、物語の徹頭徹尾可愛らしいのだ。また台詞にはない設定を暗に表現するかのような仕草が素晴らしい…。
それは松田優作さんもそうで、とにかく手がよく動く。棒立ちになる事がほぼない。
なんせそんな2人はどこからどお撮っても絵になる。
空港でのラストシーンはやっぱり良くて、ほっこりするのだけれど…キスするまでの空気感とか、ソワソワしてる薬師丸さんとか、一生懸命背伸びしてる薬師丸さんとか、そんな健気な薬師丸さんに荒々しいキスをする優作さんとか…またそれをしっかり受け止めてる薬師丸さんが…いいっ!
ま、それはいいとして、目を引いたのはその前夜だ。
ちゃぶ台の上と下。
結構な長回しもそおなんだけど、ちゃぶ台の下の攻防が目まぐるしい。
揺れる乙女心がいっぱい表現されてた。
楽しかった!
物語自体は端折られる部分もあって、深みは足りないようにも思うのだが当時の事を思えば十分な構成だったのではないだろうか。
役者陣も癖が強い。
中でも岸田今日子様…素敵でした。
毎回出てくる度に1笑い残してく…熟練の空気感と言えばいいのだろうか、最高だった。
セーラー服と機関銃がNetflixにアップされたら観てみよう。