劇場公開日 1935年6月15日

「山中貞雄 その一」丹下左膳余話 百万両の壺 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0山中貞雄 その一

2024年12月25日
PCから投稿

山中貞雄現存3作品の一つ。皆が絶賛するだけのことはあります。

但し、音声が悪くて大事なところで何を言ってるのかサパッリなので、WIKIのあらすじを片目で追いながら観ないと内容を理解できません。

この人の作品は、カメラを引いて長回しを多用します。黒澤親分も影響を受けたのか?
引いた分、江戸の街並みが俯瞰的にとらえられるので、他の時代劇に比較しても長屋や街並みの光景がリアルに映ります。

セリフの余韻を残した残影みたようなシーンも多く、脚本以上に抒情を強調します。

ストイックな丹下左膳を期待すると肩透かしです。コミカルで家庭的な丹下左膳を想像しました。本当の丹下左膳ファンは怒ったでしょうね。原作者は激怒したそうですが、当時の反応としてはそちらの方が正しいですね。

越後屋