「真ごころに触れた月の女(ひと)」竹取物語(1987) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
真ごころに触れた月の女(ひと)
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DVDで鑑賞。
原作は教科書で読んだ程度。
日本最古の小説と言われる古典文学を巨匠・市川崑監督が映画化したファンタジー大作。市川監督ならではの映像表現が平安時代の雅さを巧みに表現し、美しい絵巻のようだった。
沢口靖子は棒演技だったが、周りを固める脇役の演技力が見事カバーし主役を盛り立てていた(小高恵美は除く)。
沢口の演技はイマイチだが、その美貌はかぐや姫の絶世の美女設定を成立させており、思わず見惚れてしまったほど。
若尾文子演じる母とのやり取りや、中井貴一演じる貴族との恋愛模様は市川演出のおかげでとても感情を揺さぶる。
人の真ごころを知ったかぐや姫。別れの場面は本作の真骨頂で、美しさと悲しさの同居する儚さ満点のシーンで感動した。
古典の世界観を壊さないように塩梅された、かぐや姫=異星人と云うSF要素を盛り込んだ設定と脚本が見事だった。
クライマックスのUFOも、「未知との遭遇」を彷彿させるファンタジックな造形で、違和感が無かったのが良い。
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