太陽を盗んだ男のレビュー・感想・評価
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フォトジェニック
これはすごいものを観てしまった! 久しぶりにこんな興奮。 人に言いたいが、ある程度映画好きの人じゃないと まったく分かってもらえない可能性大。 沢田研二主演の他のドラマかなにかと勘違いしていて 一度観たと思っていたが 手を伸ばして良かった!!!! 主演の沢田研二ことジュリーは 70年代のフォトジェニックである。 彼自身グループサウンズからソロになって いきなりビジュアル系のハシリになったという ものごっつい展開を見せてくれたひとです。 この映画は彼なくしては魅力半減。 いつも不満と満たされない気分でいっぱい。 誰もわかってくれない。 そういいながら、じゃあなにが不満なのかと尋ねると 「いいよべつに!」。 ……そんなの、反抗というよりかただの甘えじゃねーか! このなんとも言えない感じを一身に体現してくれる存在が ジュリーこと沢田研二なのである。 いやあ、最高。 ジュリー演じる9号が人生で一番 充実していたのがきっと 原爆をハンドメイドしていた頃だろうというのが おかしいやらむなしいやら。 だらだら書いておきながら。 つべこべ言わずに観ろ!観てくれ! 損はさせない。
映画ファンのハートを盗んだ男たち‼️
監督作としては「青春の殺人者」と本作の2本しかないという恐ろしい現実をつきつけられた長谷川和彦監督の傑作‼️前代未聞の犯罪者と彼を追いつめる刑事との息詰まる対決を描いた、日本では今後作れないんじゃないかと思われる犯罪エンターテイメント映画です‼️バスジャックや原発の襲撃シーン、坂下門や国会議事堂でのゲリラ撮影、実際のデパートで撮影された群衆のパニックシーンとか、十数台のパトカーとの講堂でのカーチェイスとか、手に汗握る凄まじいシーンの連続で、ほんとよく日本で撮影できたなぁと思います。手製の原爆を手にひとり国家権力と戦う物理教師ジュリーと、ヘリコプターにぶら下がりながら銃を乱射する文太刑事の反骨のストーリーは、荒唐無稽で奇想天外なんだけどホントにカッコいい‼️クライマックスの屋上での両者の激突は今なお語り草になるほど凄まじいし、被爆してしまったジュリーが抜け落ちる髪を愛でるショットなどは切なくてゾッとするけど、どっか色っぽい‼️ローリング・ストーンズの来日が現実になり、ナイター中継の延長が当たり前になった今でも、やっぱり長谷川和彦監督とジュリーと文太はいつまでもヒーローです‼️長谷川監督、新作待ってますよ‼️
プルトニウムを盗んで《原子爆弾》を作る中学教師
内容の過激さにぶっ飛びました。 良し悪しはともかくとして、映画史に残ることは確か! 1979年公開。長谷川和彦監督。脚本は長谷川和彦とレナード・シュレイダー。 主演の犯人役が沢田研二。 追い詰める刑事に菅原文太。 犯人に協力するラジオDJに池上季実子。 交番を襲撃して警官(水谷豊)に催眠ガスを噴射して、 拳銃を奪う。 奪った拳銃を使い《東海発電所》に侵入。 プルトニウムを奪う。 その後は、中学の理科教師の知識で、原爆を製造する。 (城戸・・沢田研二・・は、原爆の作り方を板書して授業に熱中している・・) (生徒は、あのバカ、またやってやんの・・・と、しれーっと、見てるだけ) 完成した原爆を、国会議事堂のトイレに仕掛ける。 妊婦の女装で入れちゃう?! (今なら中に絶対に入れない・不可能!) 面白い場面は多いのだが、犯人・城戸がする変装も見ものの一つ。 東海発電所の侵入場面。 ★顔を黒く塗り、黒の覆面に全身タイツ姿は、まるでスパイダーマンのパロディ。 発電所の高い壁をよじ登り、逃走には、ロープを使い軽々と壁を滑り降りる。 国会議事堂の侵入には、 ★妊婦の女装・・・原爆は丸い半円形で腹部にぴったりサイズ。 沢田の女装はなかなかのもの。青いワンピースがよく似合う。 ★フランケンシュタインのゴム製マスクの変装もある。 これはメンが割れないのに役立つ。 もう一点は、 城戸の要求。 ①ナイターの巨人戦TV中継を終了まで、放映しろ!! (これは地上波では今でも、9時前には終わるから・・・) ②ローリングストーンズの公演を実現すること。 (実際にストーンズの公演は1973年にメンバーの大麻所持のため中止に、 なっている) ③五億円を要求・・・ 城戸は原爆製造資金を借り、サラ金の返済に困っていた。 (サラ金の取り立て男が西田敏行。ワンシーンで印象を残す) よくもまあ、これだけ反体制的で国家権力に挑戦する映画が完成して 公開されたものだ。 今より表現の自由があったようだ。 (まあ、政府が規制を強めようと、SNSの世界では、爆弾製造なんてググればすぐ出て来るらしいし、ただしプルトニウムの入手は困難。) 刑事の菅原文太が実にいい。 ヤクザ者やトラック野郎の映画で有名だが、この映画の文太は、 冷静で頭の切れる男。しかも犯人にスッポンみたいに喰い付き、死闘を繰り広げる。 ヘリコプターにぶら下がってから飛び降りたり、 犯人とのカーチェイスにカーの炎上爆発シーンはドラマ「西部警察」や「太陽にほえろ」を思わせるが、アクションでは身体を張って見応えあり。 沢田研二の犯人役も、グループサウンズのボーカルで超人気のジュリーの意外性。 反体制と無関係なアイドルスター・・しかし、ガムを終始くちゃくちゃ噛む。 ブワ〜っとふくらます。 反目になって白眼を剥き、涎を垂らして寝るノンポリ教師の内面には 国家転覆なんて野心はない。 そんな役が実に似合っている。 この映画のミューズ(女神)池上季実子も良かった。 お嬢様言葉を操りつつ、妖しい原爆男に惹かれていく。 伝説の監督・・そう呼ばれる長谷川和彦は、「青春の殺人者」と、 「太陽を盗んだ男」の二本のみで沈黙している。 存命で74歳。今、何を思うのか?
永久保存版🙆♂️
凄い映画だと思う。この当時の映画ってギラギラした独特の迫力があるんだよね。原発に忍び込んで核兵器を作って国を脅迫するというブッ飛んだ行動を起こすのが普通の教師で、特に明確な野望も無いというのが異様な恐ろしさを引き立たせる。凄い映画だわ。
生臭い映画
最後まで抜かりが無い名作。 妊婦に女装した沢田研二が、国会議事堂に入る所は無許可撮影、渋谷ではゲリラ撮影、今ではありえない状況。 故に生臭いリアルな絵で進行は進む。また金属プルトニウムの破片を舐める猫は絵の取り方繋ぎ方が上手いのか、本当に死んでるのでは無いかと思うほど。撮影にはマタタビを使ってる様だ。 最後の最後まで、リアルな情景、素晴らしい作品だ。
42年ぶり劇場鑑賞
初公開時以来の劇場鑑賞 改めて衝撃を受けました 役者もド派手なら予算のかけ方もド派手 あのアクション、カーチェイス凄いです 火薬どれだけ使ったのか エキストラの数も凄いし すべてが今の邦画とケタ違いです それにこういったセンシティブな題材はまず令和の時代NOでしょう 制約のない自由な時代に作られた歴史的な作品です。 菅原文太凄い 沢田研二凄い リメイクするにも、今の俳優じゃ無理かな
昭和って素晴らしい
沢田研二のカッコ良さよ。今や意味不なおっちゃんになってしまったが、人気があるわけだわ。そんな彼演じる原爆を作ってしまった教師と、無骨な刑事、菅原文太じゃけんとのかけひきが見もの。はちゃめちゃなスタント、昭和レトロ感がとんでもなく好み。古き良き時代の熱量を感じる快作
今の時代なら制作は100%ムリ
今でも関係者には評価が高くベスト1に選ばれる映画です。 歌手活動に重点を置いて活動している沢田研二さんの俳優としての評価が非常に高い! 萩原健一さんが役者に専念していたら敵わなかったと沢田研二さんの存在を恐れていました。
ストーンズは来ない
原爆の製造過程を長々と描写する演出に説得力があるのか、国会議事堂や皇居前でのゲリラ的撮影は今や不可能に近い当時でもキワどい行為、何よりもリアルな演技を見せ付ける野良猫の死に際が残酷過ぎる。 軽い要望で振り回す至って動機が不透明な沢田研二は最後まで緩めの緊張感で、鬼のような執念で追い詰める菅原文太との格闘後の落下、奇跡的に生かされる主人公、死んだとは思えない、ニューヨークで原爆を持ってしまったトラヴィス・ビックルが如き、シュレイダー兄弟の脚本的発想でレナード兄?? 現実的なリアルがある反面のピコピコ音やら微妙に醸すSF感が浮世離れした世界観を、スケールがデカい割に派手な銃撃戦やアクションシーンなどは控え目に、街のド真ん中で繰り広げられる撮影の凄みが伝わる長谷川和彦の強引さが破壊的!??
確かにこれは良い映画
見ておいた方が良い邦画の代表作 しかし、少し長いなと敬遠していたが このたび鑑賞。 確かにコレは凄くいい。 衝動に溢れた名作に感じた。 作り手の勢いや、演者の気概。 今見ても、マジですげーと思える 映像に溢れている。 いま、私自身はシラケで過ごしている。 犯罪に走ろうとは思わないが 何もかもどうでも良いし 他人事のように過ごしている。 そんな中、何かに没頭できるジュリーが 羨ましくもあり 過去の努力の賜物でもあるのだろう。 あと5年はシラケで過ごす。
例えばキムタクでは無理だろう
このような作品が以後40年も撮れぬのは、 我が国に長谷川和彦に比肩する脚本家や監督が不在ゆえでなく、 沢田研二的なスターが不在ゆえだろうと思う。 想えば異様なスターであった。 例えばキムタクでは無理だろう、ということ。
狂気
城戸イカれすぎ精神状態心配なるわ! でも、ド迫力のカーチェイス最高でした 菅原文太不死身すぎて笑ってしまった笑 なんかの評論で見たけど核(原爆)は使われない事が本質の兵器と書いてありなるほどなぁと腑に落ちた 最後になるけどジュリーカッコよすぎな!!!
名タイトル
池上季実子が海に落とされるが、その落差はションベンライダーの一場面を連想させる。凄まじいカーチェイスも見られるが、なんか本当に事故りそうなヤバいブレーキングである。振り切っているのがこの映画の魅力。あのヤバさを二度見したくなる。 連帯ではなしえなかったことを個人でしようとするが、その実、幼稚。長島の逆転弾に無邪気に喜ぶジュリーが印象的である。決して同意できかねる活動はヒロイックには描けないようで、他方、菅原文太が体現する現場へのリスペクトだけは高い。結局は権力志向のように思えるが、これも時代の現れ。 屋上で白眼を剥いた菅原文太が忘れられない。
変わる味わい3度目鑑賞
「太陽を盗んだ男」。シーン展開や表現演出は今も飽きずに観ることができる。セリフに多少時代を感じさせる部分はあっても映像として古びていない。ということは逆に言えば、公開当時はいろいろ先取りしていたのではないかと思う。沢田研二(ジュリー)と菅原文太のWスターに池上季実子出演なのに一般的にはウケておらず、カルト映画扱いで興行収入は伸び悩んでいる。当時は時代の気分が映画の先進性に追い付いていなかったのかもしれない。それが20年後30年後と時間をかけて、映画評論家が選ぶオールタイムベストの順位を次第にランクアップさせてゆき、ついに(2018年のキネ旬で)70年代邦画のベスト1に登りつめた映画なのだ。続きはnoteにて。https://note.com/daika/n/n69065da3b7d7?magazine_key=m8000cfeda611
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