「泣けないヒルダ」太陽の王子 ホルスの大冒険 Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けないヒルダ
開催中の高畑勲展に誘われて鑑賞。かなりの数の資料が展示され、いかにしてこの映画が作られたかが叩き込まれた直後だけに、作品自体よりも、この作品の意義の方に目がいってしまう。森、小田部、奥山氏によるキャラクターデザインの数々。宮崎駿の数々の提案を示すメモや氏による大胆な構図のスケッチを見た上で鑑賞すると、終盤の活劇、展開などは宮崎氏の作風を想起させられた。誰の作風であるかは野暮かも知れぬ。後に巨匠と呼ばれる彼らが様々なアイデアを寄せあったことに想いが巡る。
村落における対立構図に迷う主人公ホルス。移ろいやすい世論と如何に個人として対峙するか。武器をとって戦う意味とは何かなどと、そのテーマ設定はかなり挑戦的である。そして子供向けアニメとしては挑戦的なキャラクター、ヒルダ。柔和、冷酷、恐怖、邪悪と実に細かく顔に出る。話全体のバランスとしては、少し突出しすぎた感すら残った。
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