「今見ると退屈。」太陽の王子 ホルスの大冒険 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
今見ると退屈。
いや、子供の頃みたときもあんまり面白くなかった。
高畑は作品を作ろうとしすぎたね。戦闘シーンをもっと入れて子どものころの俺が喜ぶ映画を作って欲しかった。
奥から手前にくる人物をパンで捉える演出がよく生きている。とくにアクションシーンで。これは宮崎駿の演出とは違った味を感じた。銀色狼が剣で斬られるショットなんか才能を感じるな。だが、高畑勲はアクション監督の方向へは成長したくなかったんだと思う。
中盤の美しくて静かなシーンは芸術的すぎて退屈だった。でも、子供のころにテレビで二回も観たせいかもしれない。
結婚式のシーンはいつ見ても好きだ。人間は何千年も変わらずこういう幸せを実現させつつ生きてきたのだと感じた。そして映画が作られたこの時代はそれが文明の普遍的なものであると誰もが信じて疑わなかった。・・現代の発達したインフラのなかにあっては既に地域コミュニティは死に体、子供作りすぎて人間増えすぎ、それのせいか人々のマインドも変わった。結婚式を地元で挙げないなんてこの時代では考えられなかった。
そう、これは地域コミュニティの映画なのだ。新しい行き場所を探す若者と、新しい若者を受け入れて再生する町を描いた映画だ。
しかし、今の若者にそれが失われたと嘆くものはいないだろう。新しい時代の波の中で若者たちは元気に自分の行き場所を探している。
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