「人類の自業自得物語」大巨獣ガッパ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
人類の自業自得物語
サンテレビ「アフタヌーンシアター」で鑑賞。
南海の孤島を訪れた調査隊が、偶然発見したガッパの子供を日本に連れて来たもんだから、さぁ大変! 死んでいると思い込んでいた親ガッパが襲来し、子供を求めて大暴れ!
熱海から東京に破壊の舞台を移しながら展開する日活史上初にして唯一の怪獣映画は、怪獣の親子愛をテーマにホロリとさせられるラストへ一気に突き進んで行きました。
夫婦で暴れ回る怪獣と云うのは、怪獣映画史上初だったのではないかしら? ゴジラシリーズでもそんな描写は無く、家族と云う括りで見ても、ミニラとゴジラの親子だけだし…。
普段は温厚なガッパ。暴れるのは子供を探してのこと。彼らに罪はありません…。悪いのは人類。小美人を求めて暴れたモスラと同じ…。自業自得、人類の傲慢、身勝手…。
羽田空港で再会した親子は、仲良く家路へ…。まだ飛べない子供を優しく見守り、飛び方を教える両親。それに答えて飛べるようになった子供の姿に、思わず感動しました。
なんとエモーショナルな怪獣なんでしょう! 単なる怪獣映画に留まらない、まさかの怪獣側のドラマが深い本作は、今でも特撮ファンに愛される異色作であります!
【余談】
本作には元ネタとなった映画が存在します。「怪獣ゴルゴ」です。イギリスで製作された、海外では珍しい着ぐるみを使った作品です。ストーリーラインはほぼ同じ。興行師に子供を連れ去られたゴルゴが、奪還のためにロンドンに上陸。ビッグベンなどの名所を破壊しながら大暴れ…。ね、そっくりでしょ?
※追記(2020/11/01)
久しぶりに観たらガッパの顔と鳴き声が怖い怖い(笑)
※鑑賞記録
2020/11/01:Amazonプライム・ビデオ(5回目)