その男、凶暴につきのレビュー・感想・評価
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こんな刑事ドラマを石原プロは絶対に作らない
なんと言っても
犯人を追いかける場面
刑事が走り疲れて途中で歩いちゃうし
車に乗れば運転している部下の横で
ギャーギャー文句ばかり言ったりと
漫才でネタにしてきたことを
映画と言うフィールドでも
同じように表現してくれたんだと思うと
思わず笑ってしまいますね
まさに凶暴
日本映画専門チャンネルの北野武監督特集、北野武劇場にて久方ぶりに視聴。
本編終了後、浅草キッドのお二人とともに、芦川誠さんと、平泉成さんのインタビューも放送されたのだが、その中で、平泉成さんは北野監督について一言、「監督は言い訳の嫌いな人なのかもしれないね」と。つまり、監督は映画の中での設定をいちいち説明することを嫌うのだそう。これは、北野作品を好む人からすれば半ば常識なのかもしれないが、自分としてはこの一言はハッとさせられた。
自分が北野映画を好きな理由が、この説明の無さにあることに気が付かされた。北野監督は、水道橋博士いわく、いちいち裏設定をシーンにすることに対し、気恥ずかしさを感じるのだそう。
あくまで観客側の人間である自分からしてもそういったシーンは、もうそういうのいいからっていう気分になって一気に気持ちが萎えてしまう。
もともとの本、つまり野沢台本では、平泉成さんの扮する、岩城は不治病に冒されており、妻に少しでも金を残すために、手を汚したという設定があったのだそう。
このシーンを入れられたら、おそらく自分はこの作品にはハマらなかっただろうなと感じずにはいられない。
北野監督はこういう無駄なシーンをことごとく排しているのである。こういう北野監督の作品作りのスタンスが非常に魅力的である。このスタンスは今後の作品にも一貫していると感じる。
またシリアスな内容の中にも、笑いのエッセンスを加える、北野監督絶妙のバランス感覚をこの作品から感じられる。
「その男、凶暴につき」は、こういった北野武監督作品特有の雰囲気の源香を感じることができる傑作なのである。
長いものには巻かれろのほうが・・・いい?
北野武さん初監督ということですがなかなか興味深い内容でした。
映画全体的に暴力シーンが満載です。本来深作さんが監督する予定だったそうですが都合によりできなくなりビートたけしさんがすることに。しかし彼のバイオレンス映写もすごく、血はそれほど出ませんが非常にとがった感じで日本らしい暴力シーンばかりです。
ビートたけしさんの演技がとても印象に残るもので「若いなぁ」と思いつつ狂気に満ちた演技に思わず鳥肌。そのほかの役者もそのキャラクターにハマっていて配役は文句なしのものです。
しかしこの映画のラストはいろいろ考えさせられるものでした。主人公の基地外っぷり、あの若い刑事の変貌。この二人のどっちがいいと思うあるいはマシと思えるかでいろいろ意見が分かれるのではないでしょうか。長いものには巻かれよという生き方のほうが安全で裕福でいいのか、刑事として身を削って職務を全うするほうがいいのか・・・
あくまで私の注目した部分の一つに過ぎませんがこの映画にはそのぐらい奥が深そうな要素が詰まってそうな映画とういうことです。
北野作品としての方向性が決まることになった記念すべき第一作。興味がある方は試に見るべきだと思います。
暴力で飾られた空虚な世界
タクシードライバーとは違う。
その突発的な暴力からは本質が見えてこない。
監督、北野武のその後の方向性を決定づけた処女作だが、その本質は突発的な暴力描写のインパクトとノワールな世界観で飾り付けられた中身の無い空虚な作品だ。 また、暴力描写に本質が無いからこそ作品全体にふわふわした空気が流れリアルさが失われている。
非日常的なバイオレンスの世界をどれだけリアルに見せるか、そこに本当の名作との大きな違いがみえた。
何度見ても超面白い
この映画はVHSで最初に見て、DVDでも2回見て、今回はWOWOWで録画したのを見て最低でも4回目くらい。とにかく何度見ても面白い! 『キッズリターン』も4~5回見ていて、『ソナチネ』3回、『3-4X10月』『み~んなやってるか』『あの夏一番静かな海』は2回で、他のは1回。
初めて見たときはサテイの音楽がださいなーと思っていたんだけど、今はサティが全く流行っていないので、冷静に見たらとてもかっこよかった。
ストーリーがとても面白いしたけしの役の死にたがっているような刹那的な色気がハンパない。
白竜が男として超怖いのにホモというのがとても面白い。強い男はいい女をバンバン抱いていて欲しいという願望があるんだけどそこがちょっとずらされるような居心地の悪さが、この映画全体の感じを象徴しているようだった。
川上麻衣子が1回のシャブで完全にシャブ中になっていたのが変だった。
(追記)
12年ぶりに見て5回目くらいかな。たけしが本当に怖くてかっこいい。冒頭からずっと面白いのだけど、けっこう中盤の平泉成が死んでから物語がようやく始まる。白竜がでかくて怖い。岸部一徳のヤクザの事務所はガランとしている。秘書がワープロを打っているけど、何を書いているのだろう。
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