劇場公開日 1993年6月5日

「天才の作り方」ソナチネ kurosawa076さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5天才の作り方

2013年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

怖い

知的

先ほどゴダールの『気狂いピエロ』を見終わった。
もう類似点山ほど見つかる。北野監督は『ソナチネ』撮影前に『気狂いピエロ』見ていないとインタビューで語り、今までの既存の作品の要素を徹底的に自身、スタッフから排除させたと書いてあったが、もし『気狂いピエロ』を見てなくてこんなに沢山の類似点があるのだとしたらかなりの天才かもしくは予知能力(撮影後『気狂いピエロを見る自分を予知)の持ち主だろう。ありえない。30年来の北野フリーク、キタニスト、たけしイズムの信仰者である自分であるからこそ敢えて言う。ありえない。北野武氏はもちろん天賦の才能を持った人であることは疑いようのない事実であるのと同時に自身を天才に見せることの天才であることを観察者である自分は多くの氏のインタビューを聞き,読んで実感している。それは自身の映画をピカソの絵に置き換えて『青の時代』『赤の時代』などと呼ぶのがその主な一例である。しかし既存の素晴らしい作品を引用してアレンジし、オリジナルに仕立て上げるのも天才の条件(例えばタランティーノ)であり、北野監督が初めて国際的な評価を得たこの作品は明らかに非常に『気狂いピエロ』色の強い作品ではあるがオリジナリティに溢れた北野監督の作家性の強い作品にはなっていのが素晴らしい。それではちなみに北野作品に見る『気狂いピエロ』とのいくつかの共通点、意識しているであろう点を紹介する。
1.ソナチネの仮題が『沖縄ピエロ』であった
2.最初のオープニングシーンの字がタイトルの出し方
まぁここら辺はスタッフが敢えてそうしたのかもしれない。
3.崖で車が爆破されるシーン。
4.海辺のシーンの多用(砂浜)
5.草むらの中から顔を出すシーン(これは3-4×10月)
6.最後に主人公が自殺
(その男凶暴につき、3-4×10月、ソナチネ)
まぁ上げだしたらきりがないのだが他であまりにもこの事を描いた北野映画評がないのでここに書いておきます。以上。

kurosawa076