「男、目線」早春物語 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
男、目線
背伸びしたお嬢様に振り回される中年男。
若い頃の夢も刺激されて…。
ああ、パパ活にはまってしまう人って、こんなかんじなのだろうかと見てしまった。
初めは大人の余裕を見せて、軽くあしらう感じだったのに。
恋に恋するお年頃のJK。
オトナの世界を見せられて、アバンチュールっぽいシチュエーションに舞い上がる。思わぬ伏兵ライバルに刺激されて…。「これ、恋だと思う」という台詞があるけれど、鑑賞する私からすると、本当の恋はまだ知らない。
親友は実生活の中で、大人の階段上りそうだし。自分には関係のないそぶりはするけれど、そこは微妙な年頃。友に一歩先んずることはあっても、後れを取りたくない気持ち…。
もう一方の学友も年の離れた恋人はいるが、その学友の気持ちは、本当の意味で理解ができない。
そんな幼い、自分の欲求ばかりを押し付けるJKに原田さん。子どもが発するようなキンキン声、すっとんきょうな仏頂面。それでいて、ヘアセットも衣装も、当時のOL風。同級生の告別式に、一人だけ喪服でいく、その背伸びに、似合ってはいるが、自意識の高さも見られて、超イタイ。私は、アナタタチとは違うんだよと宣言しているようで。梶川と歩く海辺。ハイヒールで砂浜。転ばないように必死さの方が前面に出てしまう。そのちぐはぐさが危なっかしさを表現していて面白い。正直、美人だとは思わないが、少年ぽさもあり、なにより、透明感はぴか一。
女性としての初体験、一線を越えることに夢中な親友を仙道さん。こちらも危なっかしいのではあるが、その中にも落ち着きがあるのはさすが。
ならぬ恋に身を焦がす真佐子の一つ一つの表情が、切なく、瞳の想いがまだ恋にもいたっていないのと対照的。
そして、瞳の両親に田中さんと由紀さん。
由紀さんが大人の女。愛する恋人である瞳の父が愛し大切に思う継子である瞳に対して見せる気遣い。愛するってこういうものだよなと、しっとりと見せてくれる。
自分のことしか考えられない瞳と好対照。
と、奥行きがひろい映画なのだが、鑑賞してすぐに物語を忘れてしまう。う~ん。
それに、瞳の言動が、すべて男目線なのが食傷気味。振り回し系の面倒な女だが、子猫がじゃれ回っているようでもあり、しかも引き際が、あり得ないほど、安心できる。それを、「少女が大人に」って、男の都合・本音が丸出しなのも、食傷気味。
映像がいいから、つい、最後まで見てしまうけれど。
