戦国自衛隊のレビュー・感想・評価
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むかしの感動はなかった
2022年、「角川映画祭」で鑑賞。
40数年前(当時は中学生だった)に観たときは「とても面白い!」と感動し、サントラのレコードまで買いました。
けれど、僕も大人になった。成長した。今回、その大人の目で観なおしてみると、むかしの感動をまったく感じることができませんでした。
ファンのひとには申し訳ないけれど、チープというかなんというか……。
ゴチャゴチャとしたつくり。長ったらしい戦闘シーン……。伊庭の「我々が天下をとって歴史を変えれば、そのショックで現代に戻れるかもしれない」というような、よくわからん理屈にも思わず吹きだしてしまった。それに、撮影が良くないのか、画(え)がダメですね。美しいと感じるカットがひとつもなかった。
それから、映画というものは、お金や人数をかけたからといっていいものができるわけではない、ということもよくわかりました。
あるいは、このチープな感じを楽しむところに本作を鑑賞する醍醐味があるのかもしれませんが……。
今回この作品を再鑑賞してよかったことといえば、懐かしの面々にスクリーンで再会できたことくらいでしょうか。
真田広之や薬師丸ひろ子といった現在も俳優として第一線で活躍していらっしゃる方々の若き日の姿には少なからずグッときました。
それから、ジョー山中の歌の上手さも再認識させられた。もう一度、レコード棚からサントラを引っ張り出して聴いてみたいと思います。
最近、昔の作品を再鑑賞する機会が何度かあり、その度に「ああ、やっぱり観てよかったなぁ」と感慨にひたるのですが、この作品だけは「べつに観なくてもよかったな」と後悔しました。いや、自分の鑑賞力(あるいは、そのようなもの)が向上したことがわかったので、やっぱり観てよかったのかもしれません。
追記
素材は面白いので、こんどはハリウッドなんかでリメイクしてくれたらなぁと思います。
戦国武将と騎馬隊が現代のニューヨークにタイムスリップして米軍が出動するとか、どうでしょうか? 最新のCGやVFXを駆使して。
でも、これだと戦国時代でも自衛隊でもないから、リメイクとはいえないですね。それにコメディーになっちゃうかな。
子供の頃見たのと印象が変わりました
地上波で何度か観てチバちゃんカッコいいなあ、なんて思っていた子供の頃から色々な映画やら読書の経験をへての最近(2025)になっての公式での配信やBS松竹東急での放送されたのを観ての感想を言うと
伊庭さん、作戦指揮官としてダメなんじゃ…、と言う感じで随分と評価が落ちました。
現代に戻れるか分からないのに船を爆破した瞬間にアレ?と思い始めて、燃料も無線機も機関銃も積んであったのに爆破しちゃうんだとか、燃料切れの戦車陣地で使えば良いのに廃棄しちゃうの?とか
補給が無い中をどうやりくりするかを前面に出せば戦国時代に自衛隊の部隊が飛ばされてどう戦って行くのかと言うシュミレーションを主題の違う見方の映画に出来たはずなのに
合戦のシーン見ても行き当たりばったりただ撃つだけ、では部下がかわいそうに見えてきて子供の頃の千葉真一カッコいい!てイメージがなんだかなあ、で塗り替えられてしまうコトに。
隊員たちの人生模様を主題とした映画だから、と言うのは分かるにしても伊庭さんしっかりしなよ、なんて思うコトになってしまいました
不朽の名作だと思っている
1980年代、1990年代が
青春だった自分にとって角川映画とは日本映画がいかにダサくセコいものかの象徴的存在だった。スピルバーグやルーカスが登場してきた時代の少年にとってKADOKAWAと付くだけで古臭いアジアの低予算映画をイメージした。そんな理由で2025年まで避けて通ってきた映画だが、それだけハードルが下がりきった状況で観てみたら全然悪くない。しっかりと作られていて充分ワクワクできる大作映画だった。千葉真一も夏八木勲も真田広之もその他の役者もとても良かった。とりわけ千葉真一と夏八木勲の2人がふんどし一丁で海にたたずみ語り合うシーンには衝撃を受けた。お互いの服を交換して馬に乗る。2本の槍が交錯する。そして波がザッパーン!それが何を意味するか。それにしても凄い演出である。昭和の時代にこのシーンの意味を理解して観ていた人がどれだけいたのだろうか?時代的に早過ぎた象徴的LGBT場面をきちんと理解できればラストの千葉真一が夏八木勲に討たれるシーンが一層心に響く。しかしながら大事な場面でちょくちょくかかるBGMはどうしてもいただけない。70年代のダサ〜いロックバラードは英語で演歌を歌っているような興醒めするものだった。用心棒、七人の侍、ゴッドファーザー、フレンチコネクション、ジョーズ、スターウォーズ…後世にまで語り継がれる傑作映画は、その時に流行している歌詞付きの音楽を映画につけたりは絶対にしない。当時カッコ良ければ良いほど、のちのちダサ〜いものになるからだ。せっかく戦車やヘリコプターを借りたんだからもったいないとダラダラ長く映すシーンを短く編集して、BGMを変えれば、今でも語られる日本SF傑作映画になりえる。
どうみても賊軍
歴史はどのくらい変わるのか?
自衛隊が戦国時代にタイムスリップ。 やがて勝手な行動をとり始める隊...
自衛隊が戦国時代にタイムスリップ
父は自衛隊員で戦国時代にタイムスリップ
半村良のSF小説を映画化した1979年の作品。
以前、リメイク版の『~1549』でも書いたが、当時の角川映画の破天荒さ、スケールを象徴する大作。
いや、70年~80年代どころか、今尚『犬神家の一族』と双璧を成す角川映画の看板人気作。
今回、久々に鑑賞。鑑賞の理由は、言うまでもない。追悼。
久々に見ても、思った。
破天荒とはいい意味で。
別の言い方をすれば、ツッコミ所満載、決して出来映えのいい作品ではない。
演習中の陸上自衛隊の一個小隊が戦国時代にタイムスリップ。
何故…?
戦車やヘリがずっと動いていられる謎。弾薬の補給は…?
隊員それぞれのエピソード。でも巧みとは言えず、とっ散らかってる印象。
元の時代に戻るには、天下を取り、時の流れに抗う。何故に謎の宣戦布告。
この時代の誰も殺してはならぬと言ってたくせに、最後は近代兵器で無差別攻撃。
…などなどなど、挙げたらキリがない。
しかし、それらを敢えて凌駕するエンタメ無双。
本当にアクションとしてのスケール、デカさ、迫力、たっぷりの見せ場は、日本映画歴代の中でも稀有と言っていい。
自ら危険なスタントやアクション監督も務めた千葉真一のこだわり。
戦車、ヘリ、機関銃などの近代兵器対弓矢、鉄砲、落とし穴などの戦国奇策。クライマックスの大合戦は何だかんだ言って最大のカタルシス。
荒唐無稽こそ、褒め言葉。
終始、ノーテンキな娯楽作ではない。
仲間割れ。欲望や本能剥き出し。近代兵器で敵ナシの如く、抑圧。
戦国時代の武器で近代兵器に勝てる訳が無い…否! 人数では圧倒的にあちらが勝る。多勢に無勢。次第に劣勢になっていく…。
何故、俺たちがこんな目に…? これは運命か、時の流れに抗ったからか…?
そんな中で育まれていく、伊庭義明三等陸尉と後の上杉謙信こと長尾平三景虎の友情。
景虎は自身を戦乱の世でしか生き甲斐を感じられない男と表す。
そして伊庭の中に、自分と同じものを感じる。
それに刺激されたかのように、感化されたかのように、伊庭の中の眠っていたものが目を醒ます。
共に天下を取ると誓い合う。
武器だけあって平和ボケした生温い時代に戻るより、この時代で闘う。
聞こえによっては、危険思想。
闘う事の愚かさ。
別行動を取っていた伊庭と景虎が信玄軍討伐後再び顔を合わせた時…、“天下人”はただ一人。
戦で倒れた武士たち。
元の時代に戻れぬまま、死んでいった隊員たち。
そして伊庭。
本作は端から負け戦の様式をまとっていた。
そこが、リメイク版と強烈なインパクトと余韻の違う所。
…いや、もっと日本的な言い方をしたら、
滅びの美学。
本格時代劇や『戦国自衛隊』の新版を作りたいという構想があったらしい。
最近はバラエティーなどで姿を見る事が多かったが、やはりスクリーンで、いぶし銀のアクション・スターの姿を見たかった。
まだまだハリウッドにリスペクトされ、挑戦する姿も見たかった。
コロナによってまた一人、命を奪われていった…。
改めて、千葉真一さんのご冥福をお祈り申し上げます。
愛の形に不寛容だった昭和。
60~70年代日本映画のダメなところが作品を台無しにしている好見本だ
残念な事だが正直つまらない
千葉真一初めアクションシーンは素晴らしい
だが映画作品としては全くつまらない
本当に残念としか言いようがない
製作方針が痛快アクションに徹し切れてない
そもそも戦国自衛隊とは何かに政治性を持たしているのは間違いだ
歴史という正統なものに対する自衛隊のクーデターと言う政治性を主張しようという演出意図が透けていては痛快もなにもあったものではない
90分程度に短縮された海外版は観ていないが、そのような不純物をバッサリ削ぎ落として編集し直した方がはるかに面白い作品になったはずだ
無駄に冗長なシーンも多すぎる
その中でも岡田奈々と薬師丸ひろ子は美しいのは認めざるを得ないのだが
60~70年代日本映画のダメなところが作品を台無しにしている好見本だ
舞台は戦国、テイストは昭和
迷彩服に赤いお洒落スカーフ
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