劇場公開日 1979年12月5日

「1980年代、1990年代が」戦国自衛隊 ブロディー署長さんの映画レビュー(感想・評価)

3.01980年代、1990年代が

2025年2月27日
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鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

青春だった自分にとって角川映画とは日本映画がいかにダサくセコいものかの象徴的存在だった。スピルバーグやルーカスが登場してきた時代の少年にとってKADOKAWAと付くだけで古臭いアジアの低予算映画をイメージした。そんな理由で2025年まで避けて通ってきた映画だが、それだけハードルが下がりきった状況で観てみたら全然悪くない。しっかりと作られていて充分ワクワクできる大作映画だった。千葉真一も夏八木勲も真田広之もその他の役者もとても良かった。とりわけ千葉真一と夏八木勲の2人がふんどし一丁で海にたたずみ語り合うシーンには衝撃を受けた。お互いの服を交換して馬に乗る。2本の槍が交錯する。そして波がザッパーン!それが何を意味するか。それにしても凄い演出である。昭和の時代にこのシーンの意味を理解して観ていた人がどれだけいたのだろうか?時代的に早過ぎた象徴的LGBT場面をきちんと理解できればラストの千葉真一が夏八木勲に討たれるシーンが一層心に響く。しかしながら大事な場面でちょくちょくかかるBGMはどうしてもいただけない。70年代のダサ〜いロックバラードは英語で演歌を歌っているような興醒めするものだった。用心棒、七人の侍、ゴッドファーザー、フレンチコネクション、ジョーズ、スターウォーズ…後世にまで語り継がれる傑作映画は、その時に流行している歌詞付きの音楽を映画につけたりは絶対にしない。当時カッコ良ければ良いほど、のちのちダサ〜いものになるからだ。せっかく戦車やヘリコプターを借りたんだからもったいないとダラダラ長く映すシーンを短く編集して、BGMを変えれば、今でも語られる日本SF傑作映画になりえる。

ブロディー署長
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