セロ弾きのゴーシュ(1982・アニメ)のレビュー・感想・評価
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新潟国際アニメーション映画祭にて
新潟国際アニメーション映画祭の高畑勲監督特集で鑑賞。スクリーンで観たのは初めて。素晴らしい作品なのは知っていたけど、スクリーンではさらに映える。音楽の演奏シーンをアニメでどう描写するのかは、現代アニメにはいろんなやり方があるが、ビデオを撮影するのも気軽ではない当時に、これだけの描写をするのはすごい。なみきたかしさんと才田俊次さんのトークショーつきの上映だったが、音楽家の人にお願いして、楽譜に指の抑え方などを書き込んでもらい、それを参考に作画したのだと語っていた。
演奏シーンで空想の世界に突入する描写などは、音楽家の内面を映像化したようで素晴らしい。『BLUE GIANT』にも通じるような描写がすでに80年代前半に出ていたことに驚く。
動物たちの動きもキャラデザもどれも可愛いし、動きも背景も魅了されっぱなしの63分だった。
物語を再読してみた。 原作が共感出来る。
きちんと見なければと思う。
短編なので、物語を再読してみた。
原作が共感出来る。
カッコウの鳴き声が!そう思っていたが、残念ながら、宮沢賢治さんの文章にもそう言った表現は無い。
一見(一聴ですね)、ありきたりな例えかもしれないが、納得してしまう。
ゴーシュが段々と成長していく様が見事に描かれていると思う。
原作に限りなく忠実で傑作だと思う。
知の巨人、高畑勲
たいへんな構成力を持った高畑勲。82年作の本作にもその才は存分に発揮されている。
映画音楽というものを根底から覆す様な演出には脱帽する。本来は映像を補うはずの映画音楽たが、本作はまず音楽があり、そして映像が音楽に追いついてきて、そして共存する。そこから音楽が醸し出すテーマを汲み取り、それを映像で表現し一体化する。なんという心地いいアニメだろう。
大地や虫や動物から奏でられる音楽。まさに自然と共に音を楽しむ。宮沢賢治の世界観を見事に表現している。
高畑勲先生。もっと長生きしてもらい、平家物語を描いてほしかった。
感情の発露
印度の虎刈りに仰天しつつも報復のチャンスを狙うふてぶてしいネコの動きが素晴らしい。
高畑勲のインタビューによればゴーシュは、売れない若手芸人と似てるらしい。技術ではカバーできない「感情が縮こまっている、思い切りのなさ」。方や指揮者のオッサンは田舎町の楽団だろうとプロの誇りを忘れず、台座を踏み外しても意に介さず、例えドタバタ映画の伴奏でも一心不乱に情熱を注いでいる。好きな音楽を極める事に一生懸命なのだと思う。ラストでは若いゴーシュの才能を認めている(ゴーシュだけではなく他の団員も叱られていたし、音程がズレたり靴紐が溶けていたのは事実だから、決して意地悪ではない)
芸の道に進むとは、自分から踏み出す勇気が不可欠なのかも知れない。
叙情絵画的音楽童話動画
スクリーンで観たのはたしか御茶の水にあった日仏会館なのでアニドウの上映会ぶりか、
LD は持ってだけど今回観たのはかなり色鮮やかな印象、
たぬきちのセリフ「2弦目極端に遅れる」だったと思ったがちょい違った。
#映画鑑賞記録
#アニメーション映画
#CinemaChupkiTabata
見てよかった。
高畑勲の作品ということで、いつかは見ないといけないと思いながら、それでも延ばし延ばしになっていましたがついに見ました。
見てよかった。
ジブリの映画のようであり、世界名作劇場のようでもありますが、それよりもなによりもずっと高畑勲映画でした。
背景美術の美しさはかぐや姫に通じるものがあり、こういう映画をもう一度やりたかったのだなと感じました。
それに乗るセルの世界がなんともいえないいきいきさとそれから生命の美しさを描いていて、そのバランスが素晴らしい。
七年間もかけて一時間の映画を作ってしまうのだから、15年かけて2時間のかぐや姫を作るのもわかる気がします。それは仕方のないことです。
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