切腹のレビュー・感想・評価
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仲代達矢VS三國連太郎
このとき仲代達矢29歳
オソロシイ
岩下志麻21歳
ワカーイ
上映中終始張り詰めた空気で、特に最初の切腹シーン痛すぎる!!
神保町シアター初めて行ったが、綺麗で感じ良かった!
完璧な映画
正に文芸映画と言うに相応しい作り
雄大なセットを存分に見せていく撮影
いきなり興味をそそる導入
段々と浮き彫りになる真実
最期の最期に怒濤の殺陣炸裂
仲代達矢、丹波哲郎、三國連太郎等俳優陣
中でも仲代は当時20代なんて到底信じられない。
面白い要素しかないし、余分な要素もない。非の打ち所のない傑作だった。別に日本贔屓で映画は観てないが、本当に5、60年代の邦画って世界一だったんじゃないか。面白くて奥深いバケモノ級の映画がゴロゴロ作られてる。それを半世紀以上経った今観られるのが嬉しい限り。
時代に翻弄される者たちの声にならない叫び
長年信じてきた武士としての生き方
しかし全てを失った男はその生き方から解放され、抑圧されてきた感情を剥き出しにして復讐する
最期の全てを闇に葬りさる結末は同じ橋本忍脚本の「侍」と同じだし舞台も桜田門だし共通点が多い。本作が気に入った人は是非「侍」も観てほしい。三船敏郎主演、岡本喜八監督でこちらも名作。
言葉難しいなー でも全然飽きなかったなー 生まれる前の時代劇に抵抗...
言葉難しいなー
でも全然飽きなかったなー
生まれる前の時代劇に抵抗が正直あったけど、
作品の普遍性を感じさせてくれた。
俳優さんたちもすごい
日本映画の最高峰の一角にあると断言します
尋常ではない、鬼気迫るとはこの事か
恐るべき研ぎ澄まされた脚本、撮影、演出、演技、美術
一切無駄も淀みもなく、日本刀のように切り立っています
正に氷の刃のような映画でした
これ程の強烈な映画体験を得る作品も稀でしょう
観ている最中は息を詰め、終わってからは呆然と暫く動けない
そのような映画でした
俳優陣も強烈な緊張感のある演技をみせます
仲代達也のみならず、岩下志摩の微かな表情の動きは名演とはこの事をさすのだと言うべきものでした
その他の登場人物の言葉、所作のその全てが美しく磨きぬかれてあります
作劇の構成の見事さは終盤へのカタルシスをもたらしますが、残される印象は重く深いものです
何か日本人の魂の奥深くが震えるものです
カメラが捉える構図、近影遠景の焦点の味わい
、陰影はそれは本当に白黒映画の最高峰のものです
それに撮られた風吹きすさむ草の丘での決闘
井伊屋敷での殺陣の迫力も最高峰のものです
日本映画の最高峰の一角にあると断言できます
単なるチャンバラ劇ではなかった
マーティン・スコセッシが深い感銘を受けた映画だと知って、前々から気になっていたのですが、話の内容は全く知らないまま観賞。ただ残忍な切腹シーンを見せる映画ではなく、これほどまでにメッセージ性が強い物語だったとは…。
チャンバラ続きかと思えば、そうではなく、中盤までは井伊家の家老と津雲の会話続きで、津雲がいざ切腹となったときに、身の上話がはじまって、はて、どうなるか?と、否が応でも引き込まれていきます。
津雲が娘婿、求女のことを語った言葉言
しかし、よくぞ、血迷うた
拙者、褒めてやりたい
いかに武士とはいえ
所詮は血の通うたる人間
かすみを食うていきていけるものでもない
武士の面目など上辺だけ
三島由紀夫の『葉隠入門』を読み始めたばかりで自分にとってはタイムリーな観賞でした。三島によれば「切腹という積極的な自殺は、西洋の自殺のように敗北ではなく、名誉を守るための自由意思の極限的なあらわれである」らしいですが、三島由紀夫自身はこの映画『切腹』を高く評価しています。もっとも、映画では「形骸化した武家社会」として、武士道のありかたに疑問を投げかけているのですが。
仲代達矢と三國連太郎を見るだけでも価値あり
基本的に自分は若き日の仲代達矢が非常に好きなので、彼の見事な演技を見ているだけで非常に満足なのだが、それに加えて若き日の三國連太郎の見事な演技が加わり、両雄相対して見事な時代劇だった。
白黒らしく重厚で濃密な映像で、終始見入ってしまった。
丹波哲郎の侍姿も非常に合っていた。
殺陣などには若干の不満はあったけれど、それがメインではないので、やり過ごせた。
物語には合点がいかない不自然さを感じてしまったけれど、構成がなかなか巧妙なのか、かなり話の展開を意識しながら見ていたように思う。
切腹
映画があなたを誘惑する最初の感情は、強力な武士の一族の中にあるこの厳しいドラマの息をのむような、閉じた性格です。ほとんど不動のフレームは、何も呼吸しない崇高な視覚俳句からなる窒息感と深刻さの感覚を強める(主人公とナレーションの記憶を除いて)。映画の演劇的側面は不可欠であることを示している。したがって、映画のメッセージは簡単に解読できます:閉じた古風な社会の基礎をなす原則の妥協のない批判です。一族に救済を求めるために来た貧しいロニンの貧しい運命を目の当たりにした後、私たちはそれぞれの人と各状況の既得可能な特異性を考慮に入れずに、名誉綱領の馬鹿げさと頑固さの実証にまっすぐ進みます。問題は負荷の重さです。イメージが私たちに語っていることをすでに理解しているときには、すべてが強調されています。ダイアログは単調で、時には無限大です。このような理由から、大気圏に入ることが許されている演劇的側面は、どこからでも水のように流れるすべての言葉に影響を与えます。あまり緊張することなく。柔らかすぎます。しかし、全体の華麗さが残っています。稀少な強さのシーンが巧みに演出されています : 風に吹かれた丘の決闘は、すべての最後の戦い、木製の刃を持つ残酷な切腹。
●武士とは。
浪人が切腹のために武家の庭先を借りる。腹を切られる方はたまったもんじゃない。ゆすりなのか本気なのか。
かつてそういう時代があった。意地の張り合いである。
意地を張った上で、竹光で切腹する。介錯もしてもらえず、舌を噛み切って果てる。
これぞ武士道。
彼の無念を晴らすクライマックスは痛快。ラストの井伊家の判断も見事。
いずれも見事だけれど、武士の面目など、表面などを飾るもの。
砂のプライド
誇り高きあるべき武士故の苦労が伝わる作品でした。
内職と寺子屋でやりくりしてきた貧しい浪人生活。武士たる者物乞い等もってのほかと思いつつも、背に腹はかえられず、武士の魂である刀を質入れし、潤沢な藩の情け心に何とか訴える手段に出る主人公の婿。彼は自分の誇りよりも、床に伏す妻と乳呑み子の命を選びました。そんな婿の心情を知るまでは、主人公自身も、生まれたばかりの孫に武士の心意気を言いながらあやしたり、帯刀し続けたりしています。婿の変わり果てた姿を前に、武士の誇りも命あってこそなのだと気付かされたのでしょう。
婿の事情を知らされるタイミングが、井伊家と観客同時進行なので、こちらもそれまでどんな目で、彼の武士としての立ち振る舞いを見ていたかに気付かされます。
勇ましく命を捨てることを美意識とし、戦前まで声高らかに叫ばれていた精神論に疑問を投げかける作品です。嘘で塗り固めた面子を保つことに何の意味があるのか。何よりも人間らしく生き抜くことが大切なのだという点は、いつの時代にも通じると思います。
鬼気迫るサスペンス時代劇といった感じで引き込まれました。終盤の殺陣は、いかにも昭和のチャンバラで、必殺技ポーズ?さえなければなぁと思いました。最初から唯一情け深かった側近だけ、斬り合いを見事免れていました。
でも字幕がないと全く聴き取れず2回観ました。
時代劇も案外いけた
モノクロ・時代劇ということで毛嫌いしていましたが、みなさんの評価が高かったのでみてみました。ストーリーはなかなかおもしろく、役者の方々の演技もすごかったのですが、殺陣がいまいちだったのと、後味が悪かったのでこの評価です。
小林正樹は苦手です
岩下志麻が尋常なくきれい。
ほとんど台詞もない役だけど鮮烈な美しさで圧倒される。
あと丹波哲郎が驚く程かっこいい。
己を貫く彦九郎には共鳴できる。
だけど苦手な映画だなあ。
武士道 VS 人間らしく生きる
体制 VS 反体制
という対立軸が分かり易すぎてどうも苦手。
どっちもどっちって気がしてならない。
武士の体面の不条理と死の覚悟
総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 90
ビジュアル: 65
音楽: 65
)
張り詰めた緊張感。義にかられてそうせざる得なかった一人の浪人。もちろんただの切腹が目的なのではなく、どうしてもやらなければならない何かがある。敵中に一人乗り込み、時に抜刀した武士に回りを取り囲まれた中で、話をすると称して貫き通すその強固な意志。最初から死を覚悟したうえでの行動とはいえ、その堂々とした勇気ある態度と凛とした姿には心打たれる。
侍といえども所詮は人間。厳しい社会情勢の下で浪人となり、喰えなくなれば背に腹は変えられず、誇りを捨てて意地汚いこともしなければならない。安定した名藩に勤める武士たちはそんな浪人を見下して軽蔑する。たかりをしてくるような者たちに嫌気がさす気持ちはわかるが、自分の優遇された立場に安住し優越感に浸っているからの感情とも言える。そして必要以上に残酷に人の命を弄んだ。そして武士の体面を取り繕い守ろうとする武家社会の暗部が描かれる。
体面を守るために現実にも多くの不条理があったことだろう。全体として暗くて救いのない悲劇なのだが、悲しさと厳しさがこの映画を見ていて心に突き刺さってくる。感情をえぐるような演出が緊迫感の中に満ちている。
斬り合いの場面、もう少し現実感が欲しかった。やはり多勢に無勢、本来ならばあっという間に圧倒されるはず。集団で斬りかからず戦わずに後ろで待っている武士がたくさんいるのは緊迫感が薄れる。実戦経験豊富な津雲半士郎がどうやって集団相手に戦うのかをもっと現実的に見せてもらいたかった。
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