「角川映画で大人になった」セーラー服と機関銃 ychirenさんの映画レビュー(感想・評価)
角川映画で大人になった
私は角川映画を観て育った。
主題歌だってほとんど歌える。
その影響なのか自分はちょっと変わった発想をする子供だったように思う。
ちょっと変わった発想って?
それは「17歳になったら黒のダブルスーツに身を包んだヤクザのおじさん達が学校の正門前にズラリと並び自分を出迎えに来てくれるだろう」と言う、まあ発想と言うかは妄想?いや憧れのみたいなものが兎に角あった。
セーラー服を着た女子高生がある日突然、目高組なる弱小ヤクザの4代目組長を襲名しいぶし銀の兄貴分や陽気な若い衆と兄弟の盃を交わす事になる。そしてクライマックス、新興勢力の悪徳ヤクザ組事務所で彼女は正義の機関銃を撃ちまくる。まさにタイトルそのままにセーラ服と機関銃の世界観である。その非日常的なストーリー展開に子供ながらワクワクしたものである。
私にはそれこそが映画だった。
兄貴分の佐久間を演じた渡瀬恒彦さんは当時30代後半だったはず。自分はその年齢をいつの間にか追い越してしまった。大人が今以上に大人だった時代。自分の命をかけて誰かを守るとか本気で誰かに惚れるとか私が憧れ目指した大人は角川映画の中にいたように思う。結局、憧れのままでしたけど。
いや、今からでも遅くない。その憧れにちょっとだけでも近づけるよう慣れ過ぎた生活から抜け出してみるのも良し。セーラー服と機関銃を口ずさみながらね。
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