劇場公開日 1974年2月16日

「渡辺文雄を見る映画」聖獣学園 瑠璃子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0渡辺文雄を見る映画

2008年5月27日

笑える

怖い

多岐川裕美のマボロシのデビュー作(黒歴史ともいう)。こう毎度毎度渡辺文雄を見ていると、文雄見に行ってんだか、名和広見に行ってるんだかわからなくなりますな。個人的には毎回三原葉子がオナる(with多彩なズリネタ…張り型、バター犬、洋ピン等)のを見続けて幾星霜という気もしますがまあいいや。ストーリーは多岐川裕美が死んだお母さんの謎を探求するため男子禁制の女の園修道院に潜入し、母を殺した人々に復讐するというもの。多岐川裕美のお人形さん的美貌(とちょっとタレ気味のパイオツ)が見所。ストーリーはケレンミの連続というかそればっかりというかなんつーか、まあプルコギを食べた後にフォアグラ食って満漢全席に挑むみたいな感じ。谷隼人+タコ八郎というメンツで腹いっぱい、ゲップがでるあたりでドーンと渡辺文雄という、まさに胃袋の限界に挑戦という趣です。満腹のあまり苦しくなってくるとすかさず三原葉子が谷隼人に(よがりまくって)犯されて「32歳と4ヵ月守り通してきた純潔をおぉぉおおお」とか絶叫するし。いやそれはさすがに嘘だろお前!という観客の突っ込みは全て多岐川裕美の能面顔と渡辺文雄の濃すぎる演技で虫下しされるのであった。それはさておき、内容的には、唐突な司祭(渡辺文雄)の長崎被爆体験の告白やらに代表される陰々滅々といった展開で、画面色調も暗く、いつもの鈴木則文監督作品のような明るさがない分冗長で、いささか刈り込み不足という気がする。(あと谷隼人にはもうちょっとコメディリリーフとして登場して欲しかったな)多岐川裕美の白い柔肌にぎりぎりと食い込む茨のつる!降り注ぐ鞭!飛び散る鮮血!女の園で繰り広げられる痴態!司祭様、大きいのはお鼻だけじゃないのねとおすがりする女体の蠢き!なお、本作品で初めて「この物語はフィクションであり実在の」云々という脚注を見た。徳川セックス禁止令ですらでなかったのに。VIVA!大人の事情。

瑠璃子