劇場公開日 2005年6月18日

「出色の 加藤 嘉の演技」砂の器 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0出色の 加藤 嘉の演技

2018年11月22日
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今年 加藤 剛 が亡くなり、追悼の意味でも視聴した
戦後を代表する、二枚目俳優だった

脚本陣も 豪華で、物語は 無駄なく語られる
色々な俳優が 出演していて、懐かしい思いで見たが、千代吉を演じる 加藤 嘉に心を揺さぶられる…
会心の演技では ないだろうか?
出色の出来である

芥川の音楽は やや甘ではあるが、日本の原風景の
四季の中を 巡礼(実際は放浪なのだが…)の様に
歩き続ける親子にかぶさり 涙を誘う
(加藤 嘉の歩く姿が また!)

1974年の映画で ハンセン病への過去の無理解
を 語っているが、
1996年まで「らい病法」が存続したのは、何故? (新規患者もゼロなのに… )

また キリスト教が比較的理解を示していたと、記憶する
(後年、様々な宗教の影響力行使も指摘される…善意からの行為ばかりで無いことが、やり切れない…)

映画に描かれたように、人間の(行政、宗教の)
冷たさも、実感する

関係ないが、加藤 嘉が 痴呆気味の老人役で、
モスクワ国際映画祭で最優秀主演男優賞を取った
「ふるさと」を見てみたい!

戦後 左寄りの人であったが、彼の多難な人生が、
その演技力に 更に 深みを与えている様な気がする
また、業を感じるさせるところも、凄い

笠 智衆が 平穏の、加藤 嘉が 悲運(非業)の 老人を演じたら 完壁なのが わかる
(そして 悪業も、ド迫力!)

jarinkochie