劇場公開日 1969年5月24日

「真の主役は黒子たち」心中天網島 jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真の主役は黒子たち

2024年1月28日
PCから投稿

人形浄瑠璃と歌舞伎と現代演劇を足して3で割ったような映画。ストーリーはほぼ原作通りだが、演出の斬新さ、無駄を削ぎ落とした美術と音楽の無常感、二役を演じた岩下志麻(公開時28歳、結婚3年目)の切なさと一途さが入り混じり、まったく飽きさせない。前景でセリフをしゃべる役者たちは監督に操られる人形であり、本作で物語を引っ張っていく真の主役は黒子たちである。こんな実験的な映画が映画館で公開され、しかも客が入ったというのが驚き!

jin-inu