「【”公開当時、この映画を観た観客の多くが肩で風切る様に映画館を出て来たモノだ・・”と父が言った作品。菅原文太さん演じる広能の、自分が信じる任侠道を周囲の動きに惑わされずに貫く姿が、心に響く。】」仁義なき戦い NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”公開当時、この映画を観た観客の多くが肩で風切る様に映画館を出て来たモノだ・・”と父が言った作品。菅原文太さん演じる広能の、自分が信じる任侠道を周囲の動きに惑わされずに貫く姿が、心に響く。】
ー 彼の有名な”仁義なき戦いテーマ”は様々なシチュエーションで、散々聞いて来たが、(多分)初見である作品。ー
◆今更ながらの感想
・え!梅宮達夫さん、そんなに早くヤラレちゃうんですか!
・ええっ!松方弘樹さんも・・。
ー それにしても、今作で準メインを演じた方々の、その後の役者人生に及ぼした今作の影響の凄さ。”役が人生に憑依する”と言う言葉を思い出す。ー
・山守組組長を演じた、金子信雄さん(私は、”クッキングのおじさん”という印象しかない・・。何故か、申し訳ないと思ってしまう・・。)の、手練手管の自分が生き残るために、盾突く子分を、平気で亡きものにする謀略家の姿。
妻と共に、涙しながら味方にしようとする見事な狸親父っぷりである。
ー 今作を面白くしている、影のMVPであると思う。ー
・菅原文太さん演じる広能は、そんな中、筋を曲げずに生きる。刑務所に入り、恩赦で出所してもその姿勢は変わらない。山守組長を見限り、任侠道を貫く。
松方さんが演じた坂井が、射殺された後、葬儀場に現れ、
”鉄っちゃん、こげなことして貰って満足かい・・。満足じゃなかろう・・。”と言って、山守組長たちの前で、香典にピストルを乱射するシーン。
腰が引けながらも、”お前・・”と言う山守組長に言った言葉。
”山守さん、弾はまだ残っとるがよ・・”と言って場を去る・・。
<ウーム、ヤクザの存在自体は全否定するが、これは当時の男性達が引き込まれたのは分かるなあ・・。
一般市民に危害を加えた工藤組長とは、大違いである。
あ、これ以上書くと消されちゃうかな・・。レビューじゃなくって・・。>
私は1973年に観ましたが、松方弘樹が射殺されるオモチャ屋の店頭が当時初来日して人気だったパンダの人形だらけで、これは戦後じゃないだろっていうツッコミがあったのを思い出しました。
菅原文太さん演じる広能は、筋を曲げないところがカッコ良かったですね。