劇場公開日 1966年10月15日

「リメイクするとしたら…」白い巨塔(1966) Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 リメイクするとしたら…

2025年10月28日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

1966年公開、配給・大映。149分。

【監督】:山本薩夫
【脚本】:橋本忍
【原作】:山崎豊子〜『白い巨塔』

主な配役
【財前五郎】:田宮二郎
【里見脩二】:田村高廣
【東貞蔵】:東野英治郎
【鵜飼雅行】:小沢栄太郎
【大河内清作】:加藤嘉
【船尾厳】:滝沢修
ほかに船越英二、小川真由美、加藤武、藤村志保、石山健二郎

◆大学病院の暗部・深層

山崎豊子の原作が素晴らしい。

映画は本作だけだが、
6回(うち1回は韓国)もテレビドラマ化されている。
原作の素晴らしさを物語っている。

国立大学医学部教授の座を巡る虚々実々の駆け引き。
実弾(現金)、ポストが票を買収するために飛び交う。

・権力を得るためなら何でもする
・権力争いを嫌い公正中立を決め込む
・日和見で勝ち馬に乗ろうとする

当たり前だが、医者である前に人間。
好き嫌いや損得で票が動く。
陣営ごとの作戦会議や多数派工作、票読みを
丁寧に描いている。

このあたりのシーンは、
観る人によっては冗長に感じる人がいたとしても
驚きはない。
ただ、この部分を端折ると『白い巨塔』原作から、遠く離れるおそれはある。

意見が分かれる箇所かもしれない。

◆キャスティング

これは抜群に素晴らしい。
田宮二郎、田村正広はもちろんだが、
バイプレーヤーたちが皆、
この上なくハマっていて怖いくらいだ。

印象的なのは、
加藤嘉、滝沢修のお二方。
民事裁判において証言するシーンはしびれる。

特に船尾教授を演じた滝沢修。
本作のクライマックスと言えるだろう。

反財前派の船尾教授だが、
最後の最後に財前五郎を救う言葉で証言を締めくくる。

・斯界の第一人者としてのプライド、
・空想までは踏み出さない頑ななまでの職人気質、
・大学病院という世界を護る大局観、

それらをギュッと詰め込んだ名シーンだった。

◆リメイクするとしたら

ところで、
いま、同じ脚本でリメイクするとしたら、財前五郎は誰になるだろう。
財前五郎役は、過去に田宮二郎のほか、
村上弘明、唐沢寿明、岡田准一が演じている。

リメイク版、これから撮るなら、
山本耕史 or 玉木宏 or 柳楽優弥
いかがでしょうか?(笑)

◆衝撃映像

冒頭のオペシーンは、
患者さんの許可を得て実際の手術を撮影したらしい。
後半の解剖シーンも、内臓のホンモノ感がヤバい。

モノクロ作品であるが、
グロいものはグロい。。。

公開当時は、みなドン引きしたのではなかろうか。

◆まとめ
1978〜79年のテレビドラマ(田宮二郎主演)は、
再放送含め何度も繰り返し観た。

『白い巨塔』の田宮二郎、
『非情のライセンス』の天知茂、

2人は私のダークヒーローだ。

話を本作に戻すと、これは、
純然たる社会派ドラマといえる。

ミステリー、ホラー、アクション、ラブロマンス、コメディ、ファンタジー、空想科学…
そういう要素は、カケラもない。

真面目で重たい作品なのだ。
☆4.5

Haihai
りかさんのコメント
2025年10月30日

共感ありがとうございます♪

TV版の田宮二郎さんのが最高傑作らしいですね。本作は途中までの内容でした。
唐沢寿明さんのも良かったです。
岡田准一さんの白衣姿、目👀がてんあになりました。

りか
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