「三作目というよりスピンオフ」罠 THE TRAP あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
三作目というよりスピンオフ
シリーズではなく単体映画として観てOKという人もいるけれど。
そもそも映画版濱マイクシリーズの枠組みは、横浜の闇で渦巻く暴力組織の抗争に様々な因縁があって巻き込まれた私立探偵濱マイクが、金も力もないけれど、仲間の力を借りて精一杯闘う、ってところにあったはず。
ところが本作では、一作目、二作目で暴力組織のトップを演じた佐野史郎と杉本哲太が全く違う役を演じている。すなわち前作を踏襲するつもりはありません、て宣言しているようなもの。麿赤児の暴力刑事は変わらず登場しているがややトーンダウンしているしね。
枠組みを外してまでやりたがったのはブライアン・デ・パルマ風のサイコミステリーということになるのだろうか。これも山口智子の奮闘でなんとか形にはなっているけれど肝心のマイクの「ダブル」がね。マイク・ハマーシリーズの原作者ミッキー・スピレインからとったミッキーって役名なんだろうけど、なんでマイクが自分の影なり鏡像と戦わなければならないのかの説得性がない。
撮影は全般に暗く観にくく、前作、前々作のような横浜の色々な場所が出てくるお楽しみもない。
まあこれはスピンオフドラマであり本編は前作までで終わっていると思うことにしました。
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