新女囚さそり 特殊房X(エックス)
劇場公開日:1977年6月18日
解説
篠原とおる原作で「ビックコミック」に連載されていたもので、梶芽衣子、多岐川裕美と続いた主役に今回は新人の夏樹陽子を起用。恋人を政界の争いの中で謀殺され、自らも暴行を受け、次第に復讐の鬼と化した娘の復讐劇。脚本は「新女囚さそり 701号」の鴨井達比古、監督も同作の小平裕、撮影は「空手バカ一代」の中島芳男がそれぞれ担当。
1977年製作/84分/日本
配給:東映
劇場公開日:1977年6月18日
ストーリー
松島ナミは、病院勤めの平凡な看護婦であった彼女の恋人の西田医師は、加藤院長自らが診察にあたっている。政界の黒幕・樺島佐知夫の病状が悪化するばかりなので、不信に思った彼は独自に調査。おどろくべき結果がでた。それは、加藤が逆療法を加えていたのだ。しかし、確証をつかんだ彼は、自殺にみせかけて殺され、樺島も死亡。西田からこのことを聞いていたナミも拷問を受け精神病院へ送られる。こうして彼女は、復讐の炎を燃やし、さそりに変貌。そして、さらにナミは刑務所へと。刑務所の所長・黒岩は神経質であった。やがてこの刑務所に、今は国会議員となった加藤が現われ、黒岩はナミの友人女囚・清美を彼の一夜妻に差し出す。黒岩は看守主任の梶木を前々からにがにがしく思っていた。そして網走からライフルの名手・田村を呼び、梶木とナミを手錠でつなぎ、囚人なみのしうちをした。ある日重労働に反抗した梶木を田村がライフルで射ち、梶木はナミとともに診療室へ。そこでナミは手術用のメスをたくみにぬすみ、梶木とともに逃亡。二人は山でハイカーから衣服を奪いとった。しかし、すぐに田村らの追手にせまられ、重傷の梶木は崖から落ち、手錠でつながれているため宙吊りになる。懸命にささえるナミ。そして、引き上げるのがむりだと思うと、手錠のくさりを切り、梶木は崖下へと落ちていった。復讐の鬼と化したナミはあでやかなファッションに身をつつみ喧噪の街角に姿を現わした。遊園地に黒岩を呼びだしメリゴーランドの中で彼をほおむる。黒岩惨殺におびえた加藤は海外逃亡をたくらむ。しかしビルの屋上で彼はさそりに変身したナミの姿をみつけ、愕然とする。ナミの怨念のメスが加藤の胸を深くえぐる。虚空を求めてもがく加藤の右手の彼方をジャンボ機が爆音をたてて飛び去っていった。