少年時代(1990)

劇場公開日:

解説

昭和19年の富山を舞台に、そこに疎開してきた少年と地元の少年との友情と葛藤を描く。柏原兵三原作の小説『長い道』と藤子不二雄Aの同名漫画の映画化で、脚本は「この子を残して」の山田太一が執筆。監督は「舞姫(1989)」の篠田正浩。影は「レディ!レディ(1989)」の鈴木達夫がそれぞれ担当。

1990年製作/117分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1990年8月11日

ストーリー

昭和19年10月、戦況の逼迫する中、東京の小学校五年生だった風間進二は、富山に縁故疎開することになった。富山で最初に進二に近づいてきたのは地元のリーダー武で、田舎での生活に不安を抱き始めていた進二は、そんな武に親しみを感じるのだった。ところが武は学校でよそ者扱いされる進二を無視し、自らも進二に対しい高圧的な態度で接してきた。進二は武の矛盾する態度が理解できないまま、皆の前では召使いのような扱いに甘んずるのだった。年が明けたころ、進二は東京からの荷物を受取りに行った隣町で悪童どもにからまれる。だがそれを救ったのは武だった。追手から逃れ、荒れた建物に潜んでいたとき、武はふっと思い出したように進二を近くの写真館に誘い二人で写貴をとってもらうのだった。春になり、病欠していたクラスの副級長須藤が復学してきた。武は須藤の巧みな策によって権力を失い孤立してしまう。武はかつての取り巻きたちにまで屈辱的な仕打ちを受けたが、毅然とした態度を守り続けるのだった。進二は今こそ真の友達として対等なつきあいが出来ると思って武に近づくが武は頑なに進二を拒んだ。やがて終戦となり、進二が東京に帰る日が来た。叔父や叔母、級友たちが見送りに来てくれたが、その中に武の姿はなかった。汽車が走り出しても進二は窓の外を見つめ続けていた。もはやあきらめかけていた時、少し離れた田んぼの道を必死に手をふりながら走る武の姿があった。進二も夢中で手をふりかえしたが武の姿はみるみる小さくなっていったのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第14回 日本アカデミー賞(1991年)

受賞

作品賞  
監督賞 篠田正浩
脚本賞 山田太一
音楽賞 池辺晋一郎

ノミネート

主演女優賞 岩下志麻
新人俳優賞 藤田哲也
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映画レビュー

4.5素晴らしき哉、少年時代‼️

2024年11月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

篠田正浩監督の最高作は「心中天網島」かもしれませんが、幅広い世代に共感を呼ぶのはこの作品ではないでしょうか⁉️昭和19年、東京から富山県の田舎に疎開してきた少年・進二とガキ大将・武の友情、そして別れ・・・‼️この作品のポイントは二つ‼️一つはガキ大将を頂点とする子供たちの上下関係と、当時の日本の軍国主義の縮図が絶妙にリンクしており、当時の社会情勢というか、日本という国を知る上でこの上ない反戦映画となっている事‼️もう一つは、誰にでも経験があるであろう輝ける幼き日、少年時代への郷愁を描いている点ですね‼️ホントに共感、共感‼️でも決してセンチメンタリズムばかりではなく、武がガキ大将の地位を失うエピソードなど、篠田監督の演出は時に厳しくて容赦ない‼️でもそれが良かったんでしょうね‼️進二と武の二人の子役さんもホントに魅力的‼️大きくなってるんでしょうね、今頃‼️そして東京へ帰る進二の列車を、武が田んぼを走りながら追いかけ、列車に手をふるラスト‼️そこに被さる井上陽水の主題歌「少年時代」のあまりの名曲ぶり‼️ホントにいい作品だなぁ〜‼️

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活動写真愛好家

3.5子供の世界は世紀末式

2024年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

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モアイ

3.0古き良き時代

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

5.0素晴らしい

2022年9月15日
iPhoneアプリから投稿

私にはバッチリはまってしまって、30年以上前からもう数えきれないほど何度も何度も観ています。
初めて観た時も大泣きしてしまってインパクトありましたが、やっぱり何度観ても美しくて、せつなくて、最高の映画です。自分が少年になって入り込んでしまうのと、美しい風景やラストシーン。
井上陽水さんの主題歌は映画ではなくその後のCMでヒットしましたけどね。

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ship17

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