十一人の侍のレビュー・感想・評価
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短時間ながら迫力のある雨中の死闘
Amazon Prime Video(東映オンデマンド)で鑑賞。
東映集団抗争時代劇の系譜に連なる一作。将軍の弟であることを笠に着て暴虐の限りに振る舞う隣国の殿様を暗殺すべく集められた刺客たちの死闘を、リアリティーたっぷりに描く。
工藤監督ならではのハードボイルドとリアリズムが、物語を重厚ならしめていた。モノクロがそれをさらに引き立てる。
筋としては「十三人の刺客」と似たり寄ったりで二番煎じ感はあるが、主人公と妻の関係などのドラマに厚みがあった。
雨中の殺陣は「七人の侍」を想起させ、必死の刺客たちの死闘をダイナミックに演出する。短時間ながらすごい迫力だ。
権力の横暴によって、泣きを見るのはいつも下の者である。
集団抗争時代劇に通底するテーマに胸を締めつけられた。
7人の侍を2回見るよりも これを見る方が良い
私は今まで4000本ぐらい映画を見てきていると思う。有名な映画は全部見てきた・・ 少なくとも どんな映画かくらいは知っている・・と思っていた。 今回 これを見て自分がまだ知らないこんな映画があったのだと 激しく 衝撃を受けた。
これは一体何だ!?
7人の侍 の真似なのか ?赤穂浪士を元にした オリジナルストーリーなのか ?
何なのかわからない・・ しかし 凄まじい 演出力 。非常によくできた 脚本。
みんな 評価してないが 私はこの作品を絶賛する!
こんなによくできたチャンバラ 映画を見逃さないで良かった。鈴木則文のファンで良かった。
ここからは ネタバレ注意です
赤穂浪士に比べると 素晴らしく 展開が早い。 吉良上野介のグチグチ といじめられるシーンがなく あっという間にやらなければという状態になり そしてその後 襲撃 までの準備をするなんて話はなく 速攻 闇討ちを仕掛ける・・という展開の速さ。全編 そんな感じですごい展開が早くて面白かった 。そして所々に散りばめられている女性のシーン。 特に主人公が女房の顔に触るところ。セリフも何にもない ただのカット なのだがそれだけで これからもう 今までのような平和な生活はない。 死ぬのだ・・ という感覚がすごく 表現されていた。 この辺りに 鈴木則文 のセンスを感じた。そして クライマックス。七人の侍の真似をして 雨を降らした。 私は黒澤明のファンだから結構不愉快に感じたが同時に 雨の中でのチャンバラの効果を改めて感じた。 これを発明した 黒沢明はやっぱりすごい! 襲撃が中止になった後で 一体 クライマックス どうするんだろうと思ったけども この雨の中のチャンバラ シーンがものすごいので 脚本としては平凡なんだけど そんなことは全く感じさせない最高の出来になった。 そして ラスト。 これこそまさにストーリーを何も見ないで良かった。 赤穂浪士が頭にあるせいで最後は失敗して殺されるんだろうなぁと思っていると・・殿様 ズバッと切ってしまってすごくびっくりこいて衝撃的だった!とにかく 見終わった後に 「こんなすごいのがあったんだ」と 驚いた。 そんな映画だった。
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