劇場公開日 1995年2月4日

「大河の蔦屋重三郎はイケメンすぎるよ」写楽 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大河の蔦屋重三郎はイケメンすぎるよ

2025年3月20日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

1995年公開作品
久々の鑑賞
U-NEXTで鑑賞

監督と脚色は『乾いた花』『心中天網島』『沈黙(1971)』『卑弥呼』『はなれ瞽女おりん』の篠田正浩
脚本は原作者の皆川博子
脚色は他に堺正俊(フランキー堺の本名)と片倉美登

フランキー堺が生前の川島雄三監督との約束を守り制作された作品

当時の江戸の雰囲気を少しでも味わうことができればこれ幸い
そういう感じ

松竹創立100年記念
そのためか歌舞伎を全面に押し出している
タイトルは『写楽』だが写楽の人物像を掘り下げた作品ではない
写楽より蔦屋の方が出番が多い
そのせいか映画制作にはTSUTAYAも関わっている
映画の内容はざっくりいえば当時の江戸文化を象徴する人々の群像劇
写楽の作品は有名だが写楽そのものの資料は少なく謎の人物だから多少しょうがない
作品は作品が全てあり作者の人物像なんて知るべきでない
作者がろくでなしだと知ると作品そのものも過小評価する輩がいるが我慢できない

そういえばこの作品での共演がきっかけで真田広之と葉月里緒菜の不倫騒動が起きている
そのためか真田は後に妻で俳優の手塚理美と離婚している
真田はいまやハリウッドスター
葉月といえば魔性の女
魔性ってなんだ?
既婚者と交際すれば「魔性」?
なにそれ
手を出す男は悪くないわけ
被害者?
パワーバランスでいえば真田の方が断然上
悪しき男性社会に甘んじる人たち
馬鹿みたい

当時混浴が当たり前だった銭湯を禁じて取り締まるシーンがある
数人の全裸の女性が登場するがあのシーンはいらない気がする
サービス精神旺盛だが男の自分でも余計に感じた

配役
怪我で役者を辞め浮世絵師に転向した十郎兵衛→とんぼ(東洲斎写楽)に真田広之
江戸日本橋の版元の蔦屋重三郎にフランキー堺
大道芸人たちの親玉のおかんに岩下志麻
花魁の花里に葉月里緒菜
『ポッピンを吹く女』で有名な浮世絵師の喜多川歌麿に佐野史郎
『東海道中膝栗毛』で有名な戯作者の幾五郎(十返舎一九)に片岡鶴太郎
『富嶽三十六景』で有名な鉄蔵(葛飾北斎)に永澤俊矢
八代将軍吉宗の孫で寛政の改革を行った老中の松平定信に坂東八十助
歌舞伎俳優の市川團十郎に中村富十郎
歌舞伎俳優の岩井半四郎に中村芝雀
歌舞伎俳優の市川男女蔵に市川團蔵
狂歌師で御家人の大田南畝に竹中直人
浮世絵師で副業として喫煙用の小物販売店を営んでいた山東京伝に河原崎長一郎
大番頭の与兵衛に津村鷹志
桜主のおふじに加藤治子
遣手のおさとに新橋耐子
遊女の玉衣に宮崎ますみ
『東海道四谷怪談』で有名な戯作家の俵蔵(鶴屋南北)に六平直政
歌舞伎俳優の瀬川富三郎に篠井英介
地本問屋の鶴屋喜右衛門に有川博
年増女郎に土屋久美子
番頭の新造に富沢亜古
『八犬伝』で有名な戯作家の倉蔵(瀧澤馬琴)に高場隆義
月見客に浜村純
とんぼの母親に余貴美子
写楽絵の摺師に小倉一郎
能役者の斉藤十郎兵衛に日比野克彦
歌舞伎俳優の中村勘三郎に岩田直二
大道芸人の左吉に大川浩樹
大道芸人の権助に千葉哲也
歌麿の弟子に信太昌之
寛政三美人に大竹一重
寛政三美人に大家由加里
寛政三美人に朝比奈彩乃

野川新栄