写楽のレビュー・感想・評価
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大河の蔦屋重三郎はイケメンすぎるよ
1995年公開作品
久々の鑑賞
U-NEXTで鑑賞
監督と脚色は『乾いた花』『心中天網島』『沈黙(1971)』『卑弥呼』『はなれ瞽女おりん』の篠田正浩
脚本は原作者の皆川博子
脚色は他に堺正俊(フランキー堺の本名)と片倉美登
フランキー堺が生前の川島雄三監督との約束を守り制作された作品
当時の江戸の雰囲気を少しでも味わうことができればこれ幸い
そういう感じ
松竹創立100年記念
そのためか歌舞伎を全面に押し出している
タイトルは『写楽』だが写楽の人物像を掘り下げた作品ではない
写楽より蔦屋の方が出番が多い
そのせいか映画制作にはTSUTAYAも関わっている
映画の内容はざっくりいえば当時の江戸文化を象徴する人々の群像劇
写楽の作品は有名だが写楽そのものの資料は少なく謎の人物だから多少しょうがない
作品は作品が全てあり作者の人物像なんて知るべきでない
作者がろくでなしだと知ると作品そのものも過小評価する輩がいるが我慢できない
そういえばこの作品での共演がきっかけで真田広之と葉月里緒菜の不倫騒動が起きている
そのためか真田は後に妻で俳優の手塚理美と離婚している
真田はいまやハリウッドスター
葉月といえば魔性の女
魔性ってなんだ?
既婚者と交際すれば「魔性」?
なにそれ
手を出す男は悪くないわけ
被害者?
パワーバランスでいえば真田の方が断然上
悪しき男性社会に甘んじる人たち
馬鹿みたい
当時混浴が当たり前だった銭湯を禁じて取り締まるシーンがある
数人の全裸の女性が登場するがあのシーンはいらない気がする
サービス精神旺盛だが男の自分でも余計に感じた
配役
怪我で役者を辞め浮世絵師に転向した十郎兵衛→とんぼ(東洲斎写楽)に真田広之
江戸日本橋の版元の蔦屋重三郎にフランキー堺
大道芸人たちの親玉のおかんに岩下志麻
花魁の花里に葉月里緒菜
『ポッピンを吹く女』で有名な浮世絵師の喜多川歌麿に佐野史郎
『東海道中膝栗毛』で有名な戯作者の幾五郎(十返舎一九)に片岡鶴太郎
『富嶽三十六景』で有名な鉄蔵(葛飾北斎)に永澤俊矢
八代将軍吉宗の孫で寛政の改革を行った老中の松平定信に坂東八十助
歌舞伎俳優の市川團十郎に中村富十郎
歌舞伎俳優の岩井半四郎に中村芝雀
歌舞伎俳優の市川男女蔵に市川團蔵
狂歌師で御家人の大田南畝に竹中直人
浮世絵師で副業として喫煙用の小物販売店を営んでいた山東京伝に河原崎長一郎
大番頭の与兵衛に津村鷹志
桜主のおふじに加藤治子
遣手のおさとに新橋耐子
遊女の玉衣に宮崎ますみ
『東海道四谷怪談』で有名な戯作家の俵蔵(鶴屋南北)に六平直政
歌舞伎俳優の瀬川富三郎に篠井英介
地本問屋の鶴屋喜右衛門に有川博
年増女郎に土屋久美子
番頭の新造に富沢亜古
『八犬伝』で有名な戯作家の倉蔵(瀧澤馬琴)に高場隆義
月見客に浜村純
とんぼの母親に余貴美子
写楽絵の摺師に小倉一郎
能役者の斉藤十郎兵衛に日比野克彦
歌舞伎俳優の中村勘三郎に岩田直二
大道芸人の左吉に大川浩樹
大道芸人の権助に千葉哲也
歌麿の弟子に信太昌之
寛政三美人に大竹一重
寛政三美人に大家由加里
寛政三美人に朝比奈彩乃
ハリウッド進出前の真田広之さんの入魂
昨年はハリウッドに進出した真田広之さんが「SHOGUN」で高い評価を得て日本の時代劇の魅力と底力を世界に発信して、日本人として誇らしい気持ちになりました。
また今年は蔦屋重三郎を主人公にしたNHKの大河ドラマが始まり、蔦屋重三郎が出てくる映画はないかと探してみたら、松竹創立100周年記念映画で真田広之さんが主役をつとめた1996年公開の『写楽』という作品に蔦屋重三郎が出ていたので、これは見るしかないでしょ!と鑑賞してみることにしました。
当時は真田広之さんがジャパンアクションクラブの看板スターとして、映画やドラマで驚異的なアクションや殺陣を披露して人気を博していた時代で、当作では30代で油の乗り切った全盛期の真田さんが、江戸時代の歌舞伎の舞台の「トンボ」役者として登場して、ガンガンに歌舞伎の舞台で飛びまくる!!
「うひょー!」と雄叫びをあげたくなる贅沢な映画でした。江戸時代の最高にエキサイティングなエンターテイメントだった「歌舞伎」が真田広之さんの超人的な跳躍によって、さらに最強の舞台になって、興奮が止まりませんでした。
永久保存版! 松竹100年記念らしいスペシャルな「歌舞伎」のシーンでした。
また、30代の真田さんの男の色気がすごい! 半玉から花魁に出世する「花里」を演じた葉月里緒奈さんが浮世絵から出てきたような、華奢で可憐な美少女で、あまりの美しさにクラクラします。吉原の美少女(半玉)が花魁(女)として変貌していく様は強烈で、絵の心得がある人なら、「絵にかきたい!」と思うだろうし、少女の表情を残しながらも、「女」として生きていく彼女は、狂おしいくらい愛しくて、花里にぴったりの女優さんをよく見つけたなあと、さすが松竹100年記念映画です。なにもかもが丁寧に吟味されて制作されています。
この映画の後、花里を演じた葉月さんは「魔性の女」などとワイドショーで取りざたされたりしていましたが、吸い込まれるような美しさで、「美しさは罪!」
この作品はフランキー堺さんが製作総指揮をとって松竹の総力を結集して作られて時代劇なのですが、昔フランキー堺さんが主演をつとめた名作『幕末太陽伝』のエッセンスが随所にちりばめられながら、贅を尽くした色街吉原や江戸庶民の暮らしが生き生きと描かれていて、すばらしい作品でした。
それで、蔦屋重三郎役は製作総指揮のフランキー堺さんでした!
映画の感想を書くときに「不満もかけ」とアドバイスをもらったのですが、この作品は真田広之さんが、日本の時代劇の伝統の灯を守り継承していくことを誓い、松竹映画の制作陣やフランキー堺さんたちから「日本の時代劇の伝統」のタスキを受け取ることになった、記念の作品ではないかと思います。真田さんはあれから、ずっと日本の時代劇の要である「殺陣」を継承て、鍛錬を重ねて生きてきたのではないか。武士道を究め、日本映画のトップランナーとしてハリウッドへ乗り込んで、現地で地足を固め、日本の時代劇でエミー賞を獲るところまできたんじゃないかと思いました。
若き日の真田さんに「大和魂」が入魂されていった現場がこの写楽の撮影現場で、日本のチャンバラ映画の歴史のタスキを握りしめて、今も走り続けておられるような気がしました。
古来の日本文化の最後の足掻き。明治で壊滅!
この話は一説で堺さんの学説である。
『能役者ですか?!どおりで江戸の芝居を珍奇に見やがる!』
明治維新で日本古来の文化は終わったが、日本の本来の古典文化がこの時代に花をひらく。日本のサブカルチャーの本領発揮なんだろう。なぜサブカルチャーか?って、国宝級の円山応挙までも春画を描いている。
来年から蔦屋重三郎の大河ドラマが始まるが、彼は19世紀の声を聞く前にこの世を去るが、1800年に葛飾応為が生まれる。
葛飾応為『吉原格子先之図』を見てもらいたい。原宿の太田記念美術館で来年に展示されると予想される。ちなみに応為とは『お~い』である。しかし、偉大な北斎に勝る芸術家である。勿論、T藝大は出ていないけどね。
さて、写楽だが肉筆がギリシャ・コルフ島で見つかったとされているが、まだそれは未確認なので騒がない方が良いと思う。
真田さんは本当にトンボ切れるのだから、アクション俳優やればねもっと良かったのに。
明治維新で廃仏毀釈などで、古来の日本文化は一旦は消えてなくなる。さて、果たして、今、その文化は復活をしているのだろうか。なにしろ、戦争までして、しかも負けているからね。
グズグズのクールな文化なのかもね。
しゃらくさいの写楽
主人公である写楽不在のシーンが結構多い。ストーリー的にずっと受け身の存在で、自分の意志でいくのは花里のことだけ。おかん(岩下志麻)にスカウトされて一座に加わり、蔦屋重三郎(フランキー堺)の完全プロデュースにより絵師として人気が出るようになった。おかんからも蔦屋からも誘われた際に「しゃらくせぇ!」と返していて、蔦屋にそれで写楽と名付けられる。
はじまって30分くらいで何の映画だったか忘れるくらい蔦屋重三郎の存在が大きくて、蔦屋の死が物語の終わり。人物より時代、江戸文化や風紀、その背景に何があったかまでを懇切丁寧に描いていて、そうゆうのも何の映画を観ているかわからなくなる原因。
松平定信がとにかく厳しくて、思想書や宗教本でもなく、只の娯楽本までを燃やしたりしたご様子。庶民は贅沢すんな、愉しむな、武士の世が終わらぬようにする為の民間統制?的な意味もある倹約令。アートには関心が高いようなのだけどそれよりも庶民の取り締まりが先行する。
台詞一言で済みそうな混浴禁止も役人衆がゴヨウダコヨウダと取り締まり風呂屋に強行突入する場面をわざわざ撮っている。同じく遊郭の足抜けも、遊女を吊るしてドスで刺してギャー!グサっ。ギャー!という場面をシーンをわざわざ撮っている。お江戸でござる的に鑑賞するのはいいかもしれないが、写楽に絞りこんで欲しい。群像劇だとしたら人物にあてた脚本があまり上手くない。
その時代に活躍した人みんなを写し出していて、江戸の雰囲気全体を味わう映画だったような感じもある、扱う人数多過ぎた。印象に残った存在感ベスト9は①蔦屋重三郎②歌麿③写楽④花里⑤幾五郎(十返舎一九)⑥松平定信⑦おかん⑧鉄蔵(葛飾北斎)⑨大田南畝と市川團十郎と山東京伝と岩井半四郎
写楽が集団暴行受けて死んだ、と見せかけて生きていて、葬式は蔦屋重三郎のものでしたエンド。
自分のために楽に描け
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