劇場公開日 1962年12月26日

「家族の肖像」しとやかな獣 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 家族の肖像

2025年11月15日
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鑑賞方法:映画館

タイトル明け、若尾文子の名がトップで表示されるが、実質的な中心は全員性根の腐った四人家族である。容貌と口跡が唯一無二の怪優、伊藤雄之助はもう独壇場で飛ばしまくるし、飄々として何の疑問も抱かずに夫に付き従う山岡久乃もかなり不気味だ。
ほぼ団地の一室で繰り広げられる会話劇。テンポの良さが小気味いい。時折導入される能舞台風の演出は何なのだろうか?
昔の映画を観ていると、画面上ではいきいきと動いているのに、あくまでかつての姿なんだなぁという感慨が常につきまとう。本作でも若尾文子以外の出演者はほぼ鬼籍に入っている。いわんや早逝した監督もまた。合掌。

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梨剥く侍
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