「う〜ん、若尾文子!たまらん!」しとやかな獣 osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
う〜ん、若尾文子!たまらん!
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面白かったー!
ラストは、もっと身も蓋もないほどブラックでバシッと鮮烈になるのかと思ってたけど。
割とシリアスに当時(東京オリンピック開催に向かってイケイケ)の観客にジワリ問いかけるような終わり方。
ちょいちょい文明批判も入れつつ、流れるような悪党連中の台詞回し。
全く脚本に無駄がない。流石の新藤兼人!
そして、それを立板に水とばかり見事に演じてしまう役者たち。
小沢昭一のピノサク・パブリスタ!最高!
本当に素晴らしい。
下手したら、唐突で取ってつけたような演出になってしまいそうな内面の心理描写も、必然に見えてしまう。流石の川島雄三!
まだまだ敗戦後の混乱期、ある意味、今以上に、既存の倫理観が崩壊して行き、それゆえ、より一層タフな生き方を要求されてたかもしれないアノ時代、自分の利益しか考えない人間の欲望をブラックに描きつつ、観る側を引き込む若尾文子のアノ妖艶な色気!もう最高!
しかし最後は…
マジメ役人の虚しい悲哀が、高度成長期の東京を濡らしていく。
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