静かな生活のレビュー・感想・評価
全4件を表示
ひどいおっさん
...............................................................................................................................................
知的障害者の兄の面倒をよく見る主人公の女の子がいた。
ある日、兄に水泳を習わせる事になり、尽力してくれるコーチを見つけた。
しかしそいつは最低な奴だった。
かつて男2人女1人でクルージングに行き、女に告白するも抵抗され殺す。
もう一人の男がそれを死姦しようとしたが、詳細は不明やながら死亡した。
警察に捜査されたが、証拠不十分でコーチは無罪となった。
主人公の父はそれを知っていたので、人のいない所で会わないよう指示。
が、強引にマンションに招待されて兄と共に行ったところで予想通り豹変。
兄が助けてくれて事無きを得たのでした。
...............................................................................................................................................
障害者の役を渡部がうまく演じており、
心の綺麗な愛すべき人物として描かれていたと思う。
主人公役の女の子もとても清潔感があって良かった。
しかしコーチの最低さがすごかった。
ってか、コイツはろくな奴ちゃうなとは思ってたけどね。
まあ演じてる俳優がそういう人だからだろう、多分(場)
でも何を訴えたかったのかはわからなかった。
主人公とコーチが兄を通じて出会ったって事以外、
障害者の存在はあらすじにそれほど関係しないしね。
良かった
・主演の佐伯日菜子がとても可愛かった。
・家がとても大きくて羨ましい生活に見えた。
・大江健三郎役の山崎努が小説?行き詰っている最中、庭の排水?のつまりを直せなかったことに対しての落ち込みようが凄くて、とても笑えた。しかし、それが原因で首吊りをしようと思い悩み、そして渡航することになったので、人それぞれの傷つく事は違うというのを改めて感じた。首吊りの試しに鞄に本を詰めて、ロープでつるしてくるくる回しているのを見て、少し余裕があるように見えて何だか笑えた。
・自宅に水?の入った瓶を門柱に置いていってるおっさんが割とえぐい少女への性犯罪をしていて引いた。身近にあんな人いたらたまらない。逮捕されて良かった。
・水泳の講師として現れた今井雅之が思った以上に悪い人でびっくりした。その人を題材にした小説の映像の部分が面白かった。割とそっちもえぐい話だったので、読みたくなった。
伊丹映画の新境地
それまでの伊丹映画は個性的な面々が所狭しと暴れ回る映画って言う印象だったが、この作品に関しては身近な人(伊丹監督の妹が大江健三郎の奥様)の原作であったこともあってか、家族の優しさと穏やかさ、暖かさに包まれた素敵な映画でした。
ただ後半に行くにつけて、不穏な展開になっていく。しかしそれは今までの伊丹映画のようなハンマーで叩き割る展開ではなく、カミソリで知らない内に切れてしまってるようなさりげなくも現実的な問題として家族の前に現れてしまう。パパの鬱、イーヨへの差別、マーちゃんの世間知らずさが起こしてしまうトラブルなど。
それでもそれをしっかり乗り越える明るい家族は穏やかな日本人の普通の家族を思い起こさせる。
あとはイーヨのモデルになった大江光さんの音楽は素敵の一言。間違いなく映画の格調を高めてました。
佐伯日菜子
えらい様子がガラリと変わるのでビックリしました。前半はたるかった。
佐伯日菜子天使みたいに可愛い、というわけではなく、ただ特徴のある顔だなあと思う。しかし佐伯日菜子を認識していない無名?だった当時にみたら、ユニークな人が出てきたなと、ずいぶん見方が変わったのかな。
今井雅之、きちんと気配が怖くていいですね。この俳優はゴルゴ皺がいい。
陰気やオタクの殺人鬼ではない、村上龍の昔の小説に出てきそうなナチュラルに女性蔑視のキャラクターが持つ、殺しの雰囲気が漂ってました。
大江健三郎この映画のこと、どう思っていたのかまったく情報を見聞きしたことがないですね。
全4件を表示