劇場公開日 1992年1月15日

「【”辛抱我慢の果てに開けた新しき道” クスリと笑えて少し泣ける近代邦画喜劇の傑作。】」シコふんじゃった。 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【”辛抱我慢の果てに開けた新しき道” クスリと笑えて少し泣ける近代邦画喜劇の傑作。】

2021年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波、VOD

泣ける

興奮

幸せ

ー これだけの、傑作であるから内容は割愛。それにしても、この映画は何度観た事か・・。-

<Caution! 以下、内容に触れています。>

■沁みたシーン多数(の一部のみ記載)
 ・万年3部リーグの教立大学の学生、秋平(本木雅弘)が卒論の単位を得るために”一時的に”相撲部に入るシーン。
 マネージャーの川村夏子(清水美沙:綺麗だなあ・・)から
 ”男らしく人肌脱いで上げたら?”
 と言われ、渋々廻し(ふんどしじゃないよ!)を締める事に。
 - 夏子は、笑顔を浮かべているが、誰より穴山教授(柄本明)が顧問を勤める相撲部を愛していたのであろう。穴山教授が、且つて学生横綱だったという設定も良い。-

 ・3部リーグ戦出場のため、只一人の正部員、大学八年生!の青木(竹中直人)を始め、気弱な田中(田口浩正)、春雄(秋平の弟:大学のアイドル的存在)、留学生のスマイリーを集めるが、散々の成績に。OB達から宴席で叱責されるが、夏子の啖呵が心に響く。
 ”強くなってやる!”という想いを込める部員たち。

 ・穴山教授の田舎の夏合宿前には、春雄を慕う太っちょの正子も、マネージャーとして参加。冴える穴山教授のねらい。只管、食っちゃ寝を繰り返す日々の中(体重を増やすため)雨中、田中が一人シコを踏むシーンが印象的である。
  穴山の助言に対し、いつもは内気な田中の言葉”強くなりたい・・”

 ・そして、地元の中学生たちとの稽古。宿敵北東学院の揶揄にもめげず、彼らは相撲の面白さ、勝つ事の喜びを経験していく。
 - 青木は相変わらず、緊張するとお腹が弱くなるが・・。この作品のお笑い担当である。廻しのお尻部分を抑えて、ぴょんぴょん飛び回る姿を見て笑わない人はいるのだろうか?-

 ・学生相撲リーグ戦。先方の春雄が腕を折ってしまった時、駆け寄る正子。”マサオ!”と呼びながら駆け寄る部員たち。目を白黒させる行事。
  それまで、只管に廻しの下のタイツを取ることを拒否していた、スマイリーが、自ら破って出場するシーン。
  青木の”何だか分からない”頭突き初勝利。
 ー 毎回、クスクス笑う。-

 ・宿敵北東学院を破って、歓喜に沸く今や立派な教立大学相撲部員達とOB達の姿。だが、未だ2部リーグとの入れ替え戦があった・・。
  人数が足りないが、正子から”私出ます・・”とまさかの申し出。受け入れる穴山。そして、秋平の友人のラグビー部員も急遽参加し・・。
 - この映画のハイライトと言っても良いと思う、上半身を包帯でグルグル巻きにした、正子の相撲シーン。実に、見応えがある。力が入る。そして、春雄のために戦う姿に涙が出る。あの姿を見たら、モテ男春雄も、心惹かれるよなあ・・。-

<若き周防監督の力量が、炸裂した傑作。何度観ても、笑えて、泣けます。勇気が出ます。とても、好きな作品である。>

NOBU