資金源強奪のレビュー・感想・評価
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クズ野郎どもの強奪!
Huluで鑑賞。
深作欣二監督作品の中でいちばん好きかもしれん!
組のために殺人を犯したのに、ムショから出て来たてみたら歓迎されるどころか逆に厄介者扱い…。「仁義なき戦い」シリーズなどでよく見られるパターンで、ここからの巻き返しをどのように図るのかが物語の肝だなぁ、と…。
本作では意趣返しとして組の賭場を襲撃し、その資金を強奪することを計画。ムショ仲間3人で手を組み、入念に準備してまんまと成功するも、些細な綻びから、犯人探しを依頼された不良刑事も加わった醜い大金争奪戦へとなだれ込み…。
とにかく秀逸なクライム・アクションでした。
登場人物が揃いも揃ってクズばかりなのも最高。中でも川谷拓三がずば抜けて素晴らしかった! さすが出世作なだけのことはあるなと思わせる、抜群の演技に魅了されました。
演出もコミカルでテンポ良くストーリーが進んで行き、クズたちの騙し合いや欲望剥き出しの戦いは、生々しくも滑稽さを孕みながら泥沼化。最後に誰が大金を手にするのか、ハラハラしながら終始手に汗握りっぱなしでした。
[余談]
私の地元・尼崎でロケが行われていて嬉しい限り!
モンパルナスは移転してしまい今はありませんが、当時の阪神尼崎駅の様子を知ることが出来、今も変わらないところ、変わってしまったところを探すのが楽しい限りでした。
三匹のおっさん
センター北大路欣也の身体の美しさに冒頭やられ、そのまま何が目的かイマイチわからないが走り続ける主人公の動きが描かれます。テンポはいいのだけど金のためなのか組織の復讐のためなのか女のためかプライドのためか、よく分からないがとにかく表情を変えずに走りまくります。北大路欣也ってこういうずっと同じ表情しててもサマになるからいいよね……。時々ゴルゴ松本に見えた。
すんごく面白い
深作監督『暴走パニック 大激突』では、初っ端1カット目、銀行の建物。2カット目ではもう銀行強盗してて、あまりのテンポの良さにビックリしたが。
本作は、1カット目から銀行強盗。まどろっこしい説明なし。ものすごくテンポが良い。それでいて分かりやすい。最近の邦画は二部作流行りだが、この頃の深作監督だったら全部85分で撮れるなと思う。
二転三転どころか、最後の最後まで転がるストーリー。脚本・高田宏治。仁義の笠原和夫路線とは一寸違う、コンゲーム的な面白さに溢れている。
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主演の北大路欣也。仁義なき〜の時は何だかマジメ過ぎて好きになれなかったが、本作では、軽さとドスの効かせ方が絶妙。川谷、室田とのトリオも最高。
停職中の刑事役、梅宮辰夫も途中ゴルゴ13になったりして余裕の演技。松方、山城の1シーンも楽しい。
テーマ音楽も軽妙でウキウキする。(犯罪ものなのにウキウキしてて良いのか)。
太地喜和子のみ文芸調で本作の軽さから浮いているが、それもまた物悲しくて良い。
全体的に軽妙なんだけれども、どこか腹のすわった図太さ、反骨心もあって、惚れ惚れする。
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チンピラたちの強奪劇。世に沢山あるわけだが。
センチメンタルな『アスファルト・ジャングル』(名作だ)。そのセンチメントを壊した『現金に体を張れ』。本作は『現金に体を張れ』をさらに壊して進化させた軽妙さがあるなあと思う。
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追記1:この時代の人たちって、帽子をフワっと乗せとくみたいにかぶる。その余裕がすんごく素敵。
追記2:今ちょうど「映画の奈落」という本(脚本家高田宏治さん等に取材したノンフィクション)を読んでいて、こちらももの凄く面白い。
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