「すんごく面白い」資金源強奪 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
すんごく面白い
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深作監督『暴走パニック 大激突』では、初っ端1カット目、銀行の建物。2カット目ではもう銀行強盗してて、あまりのテンポの良さにビックリしたが。
本作は、1カット目から銀行強盗。まどろっこしい説明なし。ものすごくテンポが良い。それでいて分かりやすい。最近の邦画は二部作流行りだが、この頃の深作監督だったら全部85分で撮れるなと思う。
二転三転どころか、最後の最後まで転がるストーリー。脚本・高田宏治。仁義の笠原和夫路線とは一寸違う、コンゲーム的な面白さに溢れている。
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主演の北大路欣也。仁義なき〜の時は何だかマジメ過ぎて好きになれなかったが、本作では、軽さとドスの効かせ方が絶妙。川谷、室田とのトリオも最高。
停職中の刑事役、梅宮辰夫も途中ゴルゴ13になったりして余裕の演技。松方、山城の1シーンも楽しい。
テーマ音楽も軽妙でウキウキする。(犯罪ものなのにウキウキしてて良いのか)。
太地喜和子のみ文芸調で本作の軽さから浮いているが、それもまた物悲しくて良い。
全体的に軽妙なんだけれども、どこか腹のすわった図太さ、反骨心もあって、惚れ惚れする。
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チンピラたちの強奪劇。世に沢山あるわけだが。
センチメンタルな『アスファルト・ジャングル』(名作だ)。そのセンチメントを壊した『現金に体を張れ』。本作は『現金に体を張れ』をさらに壊して進化させた軽妙さがあるなあと思う。
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追記1:この時代の人たちって、帽子をフワっと乗せとくみたいにかぶる。その余裕がすんごく素敵。
追記2:今ちょうど「映画の奈落」という本(脚本家高田宏治さん等に取材したノンフィクション)を読んでいて、こちらももの凄く面白い。
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