「香川京子の美しさ」山椒大夫 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
香川京子の美しさ
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監督:溝口健二、撮影:宮川一夫のゴールデンコンビ。画面の奥のそのまた奥にまで観客の視線を誘う素晴らしい構図と撮影。
田中絹代のわが子を想ううら悲しい声がいつまでも耳に残る。
そして、香川京子の凛とした美しさ。これまでに観た彼女の出演作で、おそらく最も初期のものだろうが、最も美しい香川が観られるのがこの作品。
兄の厨子王を逃した後、香川扮する安寿が入水する場面は人の罪深さを訴えている。水面にあぶくときれいな波紋を残して、安寿は水中に消えてしまう。この静けさの中の残酷なシーンに人間の罪の深さを強く感じた。
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