劇場公開日 1970年1月15日

「『座頭市対用心棒』とか『キングコング対ゴジラ』とか、邦画でまたこういう豪華贅沢な映画を見たい!」座頭市と用心棒 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『座頭市対用心棒』とか『キングコング対ゴジラ』とか、邦画でまたこういう豪華贅沢な映画を見たい!

2012年7月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

シリーズ20作目。1970年の作品。

勝新=座頭市と三船敏郎=用心棒が激突!
厳密に言えば、本作での三船は黒澤作品で演じた用心棒=三十郎とは全くの別人なのだが、誰がどう見たって用心棒である。
二人の初対面シーン、挑発、やり取り、待ってました!の対決シーン!
座頭市は大映、用心棒は東宝なので、さながら“大映ガメラ対東宝ゴジラ”を見ているよう。

三船敏郎のゲスト出演が話題だが、その他も実は豪華。
監督/脚本はシリーズ初登板の岡本喜八。しっかりツボを抑えた作り。
撮影は宮川一夫、音楽は伊福部昭とシリーズ常連組。
三船以外の出演者も、若尾文子、岸田森、米倉斉加年、寺田農、神山繁、滝沢修、嵐寛寿郎…。
記念すべき20作目を飾るに相応しい“デラックス版”!

おおまかなストーリーは、敵対するやくざ一味にいる市と用心棒が出会って男惚れ。挑発し合いながらも暗黙の内に協力し合って、敵対するやくざ一味を共倒れさせる。
そして最後は市と用心棒の一騎打ちになるのだが、予想通り引き分け。
対決と言うより、“共演”か“似た者同士”かも…?

アクション、ユーモラスな人物描写、エゴ剥き出しの悪党どもや市たちのドラマ…。
岡本喜八だけあって娯楽性を詰め込み、話もそれなりに面白味はあるのだが、別に相手が用心棒でなくとも成り立つ話であり、ストーリー的には至っていつもの“THE座頭市”。
本当に“座頭市対用心棒”で支えられていた気がする。
一捻り二捻り、ユニークな味付けが欲しかったが、こういう贅沢な企画はなかなかあるもんじゃないので、理屈抜きに楽しむべき。
その為に企画された作品でもあるだろう。

邦画でこういう思い切った贅沢企画が無い。
“○○対○○、夢の対決!”のような豪華贅沢な企画がたまにあってもイイ気がする。

追記
最近、ハリウッドで『ゴジラvsコング』があったばかり。
やっぱりこういうのって、楽しいよね♪

近大